ヒロインのような恋を。((すえのり)) (ページ15)

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やっぱり裏切れない弱い自分。ページ15

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「…どうしたんですか？」

「Aちゃんにお願いがあってさ」

「なんですか？」

「……ここにメッセージ書いてくれへん？」

「え？」

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目の前に出されたのは、ハチマキとペン。

……ここにメッセージ？

ん？

困った目で見つめると、あの優しい笑顔で微笑み返されるだけ。

……なんか、書けばいいのかな？

『センパイ、頑張ってください！！ A』

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「…こんな感じで良かったですか？」

「ええ感じやわ。ありがとう」

「……あのこれって…」

「ん？」

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どういう意味ですか？って聞こうとして飲み込んだ。

「午後の試合、俺絶対に勝ちたいから見に来てくれへん？」

「…え？」

「待ってるから」

「えっ…ちょっと…！」

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引き止める前に、行ってしまった…。

「良かったやん。」

聞こえてきたのは、末澤くんの声。

……あ、トイレから出てきてたのか。

「……松下ってあの先輩のこと好きなんやろ？」

「…そ、そんなわけないじゃん(笑)」

「…… 」

じーーっと見てくる。

それは、まるで『嘘なんバレてんで』とでも言ってるかのような視線だ。。

「……末澤くんには、なんでもお見通しか～(笑)」

「……午後はさっさと飯食って見に行けよ」

「行かないよ」

「は？」

「行かない……」

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どうしても私は、

莉奈を裏切ることが出来ないんだ。

※ 松下は貴方様の苗字です。