後悔先に立たず３ ページ26
・
『ふふっ 約束だよ？』
「あぁ」
約束だと太宰は微笑んだ。その返答を聞いた華蓮は満足そうに笑い橋の袂へと歩き出す。銀髪の髪が夕日に照らされてキラキラと光っていて、その輝きが太宰には眩しかった。
大切な友人をなくした日、太宰と華蓮は約束した。織田作との約束を違えない、そして相手より先に死なないと。どんなに悲しくてもどんなに辛くとも時間はもう戻らない。織田作が死んだという事実は変わらない。そして織田作が大切な友人だったという事実も。太宰は今にも涙が溢れそうになっていた。そして華蓮の頬には涙がつたっていた。だが、お互いそれに気付いていたが指摘するような野暮はしない。この日、二人は過去に別れを告げると同時に過去に囚われた。
＊
「やっぱり夢、か…」
どうせ居なくなってしまうなら告白しておけば良かった。そんな後悔をしてももう遅い。もう彼女は戻ってこない。だからこそ今横浜で蔓延っている死者に成り済ます事件は許さない。もし見つけたら殺しはしないが再起不能にしてやろう。彼女を冒涜する輩は私が許さない。彼女がいない今、私に生きる意味なんてない。本気で死にたいと思ってしまう自分がいる。
゛ダメだよ、太宰 ゛
ああ分かっているよ、華蓮。私はまだ死ねない。君に成りすます輩をまだ見つけていないし、それに今、社長が毒の異能者によって瀕死だ。やることは山ほど残っている。君を殺したフョードルも捕まえていない。何より私には新しい仲間である探偵社の人達や、敦くん、そして芥川くんもまだ見ていたい。だからそっちに行くのはもう少し掛かりそうだ。そっちは楽しいかい？織田作はそっちでも元気でやっているのだろうか。華蓮…私は君に死んでほしくなかった。私より先に行かないと約束したのを忘れたのかい？例え織田作との約束を破ったとしても私は君に生きてほしかった。ずっと私の隣で笑っていて欲しかった。私は君を…「愛していたんだ…」そう口に出した言葉は華蓮に届くことなく、朝の静けさの中に消えていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あまり更新できなくてすみません…太宰さんの口調ってこんな感じでしたっけ？不安だなぁ…最近書いてなかったし。入間くんの世界の方もちまちまと書き進めているので近いうちに更新できると思います。確約はできないですけどね(笑)違う作品の方でTwitterでリクエスト貰っちゃったのでそっちを先に書くと思います。
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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください！楽しみにしてます! (2023年3月1日 3時) (
レス) @page28 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
あざらし(プロフ) - みぃちゃんさん» ありがとうございます！最近いろいろ忙しいのですががんばりますね！ (2021年12月12日 13時) (レス) id: 101d3ba49f (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん - 初めて見ました。頑張ってください！ (2021年12月1日 16時) (レス) @page28 id: 07d077227f (このIDを非表示/違反報告)
夢女子S氏(プロフ) - あざらしさん» アメリです！！推しだからガチ嬉しい (2021年8月19日 14時) (レス) id: 59c0caef7c (このIDを非表示/違反報告)
あざらし(プロフ) - 通りすがりの鈴木さん» 鈴木さん！！またコメントもらえて嬉しいです！前回は1年前くらいですかね（笑）全然話進んでないですけど楽しんでもらえてよかったです…！私も織田作推しなので早く織田作出したいです！！夏休み編にも出す予定なので気長に待っててもらえると嬉しいです！ (2021年8月19日 10時) (レス) id: 101d3ba49f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アザラシ | 作成日時：2020年5月16日 17時
