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#11-1…一縷の希望(立香side) ページ48

まるで神話のワンシーンみたいだった。
見慣れたカルデアの管制室の筈なのに、とても神秘的な場所に感じてしまう程、
とても綺麗な誓いの儀式だった。



しばらく抱き合っていた2人がそっと離れる。手は離さないまま。


「えっと、沢山ご迷惑をおかけしました。
私は平行世界のカルデアでマスターを務めていたAです。
助けてくれて、ありがとう。」


ふわりと花の様に笑いながらAさんが言った。


「いや、俺がしたくて貴女を助けたんだ。
ようこそ。俺たちのカルデアへ!」


「へへ、優しいんだね。
よろしくお願いします。」


ほけほけした雰囲気が漂っている。
俺たちは割と同じ部類の様だ。


でも、急に真剣な表情になったAさんが切り出した話題で、
場の空気は少し重くなった。



「ねえ、ニアは何処?」



彼女はサイ…ニアがどうなったのかわかっている筈なのに、
それを聞いてきた。

もしかして、助ける方法があったのかと、少し悲しくなった。


しかし、悲しげな顔をした俺を見てAさんが慌てて付け足した。


「あ、と…ごめんなさい。言葉が足りなかったね。
あの子の身体は、まだ取って置いてあるのか聞きたかったの。
それと、私の欠片達の焰は集めてくれた?」



まだ何が言いたいのかはわからないけれど、
Aさんの声色的に何か良いことが起きると分かった。



「多分まだ医務室にあると思う。
それと、焰はギルガメッシュがくれたカンテラの中に全部入ってるよ。」


そう言うとAさんは少し驚きを見せた。


「ギルが宝物庫から飴以外を…⁉
君だいぶ信頼されてるのね…!」


「それは違うよ。
カンテラを貰ったのはサ…ニアなんだ。
燈せば先を見せてくれるって言って。
そのお陰で俺達はあの場所に辿り着けたんだよ。」


「……そう。
ニアは愛されてたのね。
なら、なおさら急がないと。

さあ、カンテラを持って?
眠り姫を起こしに行くわ‼」


俺は早足で歩き出したAさんが言ったこと、
ついでにオルタが黙って手を引かれていることを信じられなかった。
だって、サイはもう動かないと思っていたから。
でも、確かに創造主である彼女なら、
サイを再起動することもできるかも知れない。
というかオルタを引っ張って行くなんて……。


カンテラを持ってAさんを追った。
スタスタと迷うなく医務室へ進んでいくAさんの歩みは
本当に別のカルデアに居たのだと分かる程迷いが無かった。

#11-2…果てない夢を→←#10-2…不離の約束(夢主side)



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アルっさん(プロフ) - 皐摩さん» ありがとうございます!ちゃんと“皆が幸せに思う”終わりを目指していくので、今後ともよろしくお願いします(*´-`) (2019年4月18日 7時) (レス) id: 627f8f5340 (このIDを非表示/違反報告)
皐摩(プロフ) - めちゃくちゃ楽しみながら読ませて頂きました!!更新楽しみにしてます!! (2019年4月17日 23時) (レス) id: 8434b91720 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジジュース(プロフ) - アルっさんさん» 見ました!ものすごいことに…! (2019年2月20日 18時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジジュース(プロフ) - アルっさんさん» お互いに頑張って行きましょう! (2019年2月7日 20時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
アルっさん(プロフ) - オレンジジュースさん» ありがとうございます(*´-`)これからも頑張りますね! (2019年2月7日 19時) (レス) id: 7837a26b84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルっさん x他1人 | 作成日時:2019年2月7日 18時

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