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穏やかな朝に ページ15

頭に軽く、優しい重みが往復する。

「……ん…。」

目を薄く開ける。
目の前には、優しく微笑んで私の頭を撫でる実弥さん。

「起きたか?」

「……ん…まだ、眠い、かも…。」

「そうか。」


まだ私の頭には実弥さんの手が乗っている。

「実弥さん、くすぐったい、です。」


あくびを噛み殺しながらそう告げるも、
お前が可愛いのが悪いなんて言って実弥さんは手を退けようとしない。
まぁ、されるがままでも、いいか。

ほけほけしている頭で考える。
せめて、どうか、任務が来るまでは、
雨上がりの優しい朝日に照らされた部屋で、微睡んでいたい。
ゆっくりしたいな。なんて。

「ずっとこうしてたい、な。」

「そうだなァ。」


2人でごろごろ。
もう少し鴉には来ないで欲しい。
もう少し2人で居たいです。
もう少し、もう少し、そんな我儘が頭をぐるぐるするけれど。


「カァ!カァ‼芳香チャン‼任務ヨ‼西ニ行キマショ‼村ガ危ナイワ‼

「カァ‼カァ‼不死川モデアル‼合同任務デアル‼」

「「ヨカッタネ‼」」



「余計なお世話…です。」

「分かった。急ぐぞ、A。」

「んぅ……はい…。」

鴉は鳴く。
眠いけれど、しょうがない。
合同任務ですし、良しとします。

のそりと体を起こすと、


ズキリ


「う……!」

「ん?大丈夫か?」

「腰、痛い…!」

「……ははは‼まあしょうがねえだろォ!俺がしっかり支えるから、安心しろ。」

「はい…。」


嬉しいけれど、原因は……あ、いや…私だ…。

スッポンポンなのが恥ずかしかったのでとりあえず実弥さんを向こうに向かせる。

「もう何度も見てんだから良いじゃねえか。」

「恥ずかしいものは恥ずかしいんです!」


隊服はしっかり乾いていた。
実弥さんが私が脱ぎ捨てたのを私が気絶した後にしっかりかけておいてくれたみたい。
因みに、その、体も拭いておいてくれたみたいです。

「準備できました。」

「おう。じゃ、行くか。」

「はい。」

朝ごはんは抜き。
女将さんに刀を受け取り、実弥さんと走る。


「遅れるなよ?」

「はい…あなた?」

「な…!おま…待ちやがれA!」

「ふふ、嫌です!」


動揺する実弥さんを抜かして走り続ける。


ああもう、ずっと一緒にいましょう!
こんなに幸せなのは初めてです。
こんな夢の様な日々が、どうかずっと続きますように。

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くみ(プロフ) - このお話大好きです!続き楽しみにしてます(^○^)! (2019年10月5日 18時) (レス) id: b6c0432515 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - どピンク、えちえちと、御自覚があるようでしたので注意させて頂いたのですが無駄な様でしたね、キャラクターと作品を借りているという事もあるのできちんと棲み分けて頂きたかったですが残念です。返信は不要です。 (2019年9月19日 19時) (レス) id: c604d4f72b (このIDを非表示/違反報告)
アルっさん(プロフ) - キャプション見ていただけるようにして覚悟有りの方のみおkにしてるので察した人ブラウザバックと書いてありますしそもさんそれなら短編でそういう表現してる方もたくさんいらっしゃるので大丈夫だと思っていましたすみませんこのまま行きます。 (2019年9月19日 17時) (レス) id: b3d637dde1 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 性的な表現を含んでいる為フラグを立てた方が良いのではないでしょうか? (2019年9月19日 17時) (レス) id: c604d4f72b (このIDを非表示/違反報告)
- さねみん尊い… (2019年9月17日 17時) (レス) id: 7dcc80bca5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルっさん | 作成日時:2019年9月11日 9時

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