37：おかしいのが普通？ ページ38
クローリーは彼女の部屋の前に立つ。ノックをしようと手を伸ばす。
が、ガチャリと開けられたドアから、
「来て下さったんですね。嬉しいです。」
耳に髪を掛けながら彼女は笑う。
彼女のこんな仕草は初めて見て、クローリーはガンッと殴られた様な衝撃に襲われた。
ふるふると頭を振って、
「約束破るなんて紳士じゃないでしょ。」
と笑って言えば、彼女もくすりと笑った。
部屋に入って、まず、クローリーは疑問に思った。部屋の明かりが灯されていない。明かりと言えば、流れる雲の間で垣間見える月明かりのみ。
部屋の中心へ進み、中を見渡す。ガチャン、とドアが閉まる音がした。これで、廊下の明かりも遮断された。
クローリーは溜息を吐いて、
「・・・どうしたんだい、こんな暗くして。」
君、暗い所大丈夫なの、と聞こうと振り返る。が、胸元に力を込められ、後ろへ倒れる。
吸血鬼の彼でも、流石に予想外の展開だったのか、それとも、それほど彼女に気を許していたのか。
見事背後のベッドへ沈み込み、パチパチと瞬きをした。暗い天井を見ていたクローリーは、腹部に感じる重さに目を移す。
「・・・・・随分と、大胆だなぁ・・・」
片眉を上げ、牙を覗かせ笑う。
「・・・ふふ、」
その子は笑う。妖艶に、楽しそうに。
「A。」
自らの上に馬乗りになって、微笑む彼女に、彼は言った。
「・・・大胆だなんて、ずっと、こうすること待ってたのに・・・？」
「はは、まさか。」
「ふふ、・・・でも、貴方の事は素敵だと思ってます。」
彼の胸板に、彼女は手を伝わせ、顔を近付ける。クローリーは、少し困ったように空を仰ぐ。
こんな彼女は知らない。
今まで見た来たAと言う、人間は、何だかおどおどしていて、小動物みたいで、こんな暗い所なんかで、こんなことをする者ではなかった。
「・・・買い被りすぎだよ。」
クローリーは目を細め、ぐん、と寝返る。Aを下に敷き、彼は妖しく笑んだ。
「僕の本性なんて、・・・見れたもんじゃないよ。」
彼女の頬から顎、そして首。するりと唇を伝わせ、ボタンを一つ外す。
「・・・貴方にならどうされても、構いません。・・・ねぇ、クローリーさん、」
キスをしようと、顔を近付けた彼の頬を、早く、とせがむ様にAは包む。彼は喉の奥で笑って、
「明日、歩けないって文句言っても・・・、知らないから。」
低く言って、唇を重ねた。
キスをした途端に、舌を捩じ込むと言う悪戯を仕掛けてみた。どんな反応か。
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アカネ*(プロフ) - いやいや、めっちゃおもろいですー！読ませてもらってます！！(￣▽￣) (2017年9月5日 6時) (
レス) id: b55415a21a (このIDを非表示/違反報告)
剣、(プロフ) - 巡ってくれてるんですか！？あ、有難き・・・。こんな更新しないプー太郎ですみませんーーーー！！！！！ (2017年9月4日 23時) (レス) id: 84eda379fa (このIDを非表示/違反報告)
アカネ*(プロフ) - んおおおおおお(( はい。やはり剣さんの作ったものは全部面白いです！頑張ってください！ (2017年9月4日 20時) (レス) id: b55415a21a (このIDを非表示/違反報告)
空 - 確かにな！個人だったら頭逝ってる人とやりてぇなｗｗ (2017年2月16日 20時) (レス) id: 76247c4d35 (このIDを非表示/違反報告)
剣、(プロフ) - まぁ相手に寄るわな (2017年2月16日 17時) (レス) id: 359f1a87d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣、 | 作成日時：2016年3月20日 0時
