27：昔話をいたしましょう。�� ページ28
「・・・ぁれ・・・」
「やっほ、起きた？おはよー。あ、僕、フェリドって言うんだ。宜しくね。君は？」
すらすらと滑る様に喋りかけてきたこの男。誰だろう、とAは単純に疑問を持つ。
親や学校から、知らない人に話し掛けられたら注意しましょう、何て言われていた気がする。
「っ！」
急いでベッドから降り、ドアへ駆ける。が、
「はいストップ〜。」
「ひ！」
床に押し付けられる。怖い怖い怖い。先程の、女の子よりも怖いと思った。
「離して！！嫌！！」
「静かにしてよ、もう。」
「むぐっ！？」
口を手で抑えられ、体をクルリ、と仰向けにされる。
呼吸が荒くなり、涙が滲む。そんな自分をフェリドと名乗った男は、楽しそうに笑う。
「大丈夫だよ。僕と仲良くしよう、殺さないよ。」
その言葉は心に絡みつき、掴んで離さない、そんな力があった。
そして口を押えられていた手を離される。
「お名前は？」
にっこりと綺麗な笑みを浮かべている。
「A・・・」
Aは答えた。
「ふむ、Aちゃんか。怯えなくていいよ。可愛いし・・・僕と友達になろう、何ならお兄ちゃんでも良いよ〜？」
楽しそうに笑うフェリドは、Aを起き上がらせ、抱き上げてベッドへ座らせた。
「・・・私、戻りたいよ・・・」
「無理だよ、此処は地下だし、何より此処の存在を知ってしまったのだし。ここも、案外・・・君からしたら発見が多くて楽しいかもよ？」
「・・・・・でも、」
未だ言い淀み、自らの母を惜しむAの前にフェリドは握り拳を出す。
ポンッ、と言う軽快な音と共に、目の前に紙吹雪が散る薔薇が出た。
「・・・わぁ・・・！」
「最近暇でねェ、手品覚えちゃったんだよね、暇で。」
フェリドはバラを彼女の胸元のポケットへ入れながら、溜息を吐いた。
「・・・ぇと、凄く暇だったんですか・・・？フェリドさん、？は。」
控えめに言えば、
「暇だったんだよね〜、Aちゃんが僕を楽しませてよ。
これから一緒に暮らすのだろうし、仲良くしよ〜。」
またにこやかに言った。
「はい・・・・・、あの、私は、戻れますか・・・？」
もう泣きそうだ。フェリドはヘラヘラと笑っていても、Aにとっては頼っても良いのではないか、と思えた。だけど、母との急な別れに、耐えられそうにもない。
瞬きをすれば、目の淵に溜まった涙が零れてしまうだろう。
「戻れるかもね。君が大人になったら、僕が連れ出してあげる。なんて。ま、嘘じゃないけどね。」
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アカネ*(プロフ) - いやいや、めっちゃおもろいですー！読ませてもらってます！！(￣▽￣) (2017年9月5日 6時) (
レス) id: b55415a21a (このIDを非表示/違反報告)
剣、(プロフ) - 巡ってくれてるんですか！？あ、有難き・・・。こんな更新しないプー太郎ですみませんーーーー！！！！！ (2017年9月4日 23時) (レス) id: 84eda379fa (このIDを非表示/違反報告)
アカネ*(プロフ) - んおおおおおお(( はい。やはり剣さんの作ったものは全部面白いです！頑張ってください！ (2017年9月4日 20時) (レス) id: b55415a21a (このIDを非表示/違反報告)
空 - 確かにな！個人だったら頭逝ってる人とやりてぇなｗｗ (2017年2月16日 20時) (レス) id: 76247c4d35 (このIDを非表示/違反報告)
剣、(プロフ) - まぁ相手に寄るわな (2017年2月16日 17時) (レス) id: 359f1a87d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣、 | 作成日時：2016年3月20日 0時
