2話 ページ7
「先輩、何か最近いい事ありました?」
「え?」
会社に着くと後輩3人ほどからそう問いかけられた。
あまり、関わりがなかった後輩らなので少し驚いてしまう。
「いや、なんか先輩最近柔らかくなったなぁって……」
「そうそう!前はもっと近寄りにくかったのにね!」
「コラ!」
と後輩が口を揃えて柔らかくなったと言葉を私に投げかける。
確かに、自分でも少し分かるかもしれない。
前はもっとバリバリに働いて周りの人との関係は最低限のものだったが、最近は仕事だけでなく人間関係も安定しているように感じる。
「彼氏でも出来たんです?」
と。まぁ、彼氏と言うものなのだろうか。はっきり言えば彼女になるが流石に言うことは出来ないので
「まぁ……」
と、そう言葉を返す。
すると後輩らはパァっという効果音が付きそうなほど笑顔になる。
「やっぱり!そうだと思いましたよ!」
「きっと良い彼氏さんなんでしょうね!」
私は彼女たちのキャッキャッした雰囲気から抜け出すべく「じゃ、じゃあ」と自分の席へと向かった。
これも、由梨と出会ったからなのだろうか。私は由梨に何かとお世話になっている気がする。前に本人に直接この事を伝えたのだが『こっちのセリフですよ』と笑われたことがある。
すると、ブーブーとポケットに入れていたスマホに振動が走る。
そこには『今日帰ったらさっきの続きしましょうね』というメッセージが書いてあった。
「……ったくもう」
私は少しニヤけてしまった口角を指で下へ引っ張り真顔へ戻す。
そして、私は片手でポチポチと彼女へのメッセージを送る。
(どういう反応するかな……)
*
「暇……」
不良で不登校の私は特に何もすることなく家でゴロゴロしている。
今は煙草を吸いながらテレビを見ているのだが、そこには桃子さんの家では見ない輝いてる姿が見える。
するとピロンっとスマホが鳴る。
きっと、咲良さんだろう。さっき送ったラインの返信だろうか。
と、すると想像していた言葉とは真逆の返信が送られてきた。
「え、とうとう気でもおかしくなった?」
メッセージを見ながらそう声をもらす。
いつもの感じなら『やめてよ!』とか『後でねー』なんて適当なことしか帰って来ないのだが。
「会社の前のホテルで待ってる……か」
何かいつにでも増してノリノリだな、なんてことを感じる。
そして私は、今日はいっぱい攻めてやろうと決めたのだった。
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ゆ - 尊い (2019年5月12日 17時) (レス) id: 0c30cd4e30 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 途中までしか見ていませんが、とても僕はこの作風好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - ありがとう御座います!そんなこと、あるんですね笑 もしかしたらその小説の作者さんと気が合うかもしれません笑(?) (2018年12月31日 14時) (レス) id: b9c47787f2 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - お気に入りさせてもらいました。余談ですが私の好きな小説の主人公(?)と同姓同名で少し驚きました…笑 (2018年12月31日 13時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪見だいふく | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mayu02071/
作成日時:2018年12月29日 16時