29話 ページ34
私達は、それから正式に付き合うことになった。
それまでツンツンしていた私も今ではすっかりマシになった。
私は彼女に「いつから好きだったの？」と聞くと「初めて会った日からです」と。
「私に注意してくれる人がいるんだ、って嬉しくなっちゃって」「それからずっと気になってました」と言った彼女に私はどんどん惚れ込んでいった。
その言葉で、彼女はとても一途で純粋なんだと感じられた。
＊
「ホントだ、懐かしいですね」
私の持っていた写真を覗き込むと、そう声を発した由梨。「このときは、仲悪かったですよね」と懐かしそうに笑う由梨につられて私も笑ってしまう。
本当にそうだと思う。でもまさか、あの時から私のことを好きだったなんて。私はあのときはそんなことを一瞬も考えたことはなかった。
「由梨って、イケメンだよね」
過去の出来事に浸っていた私は無意識の内にそう言葉が出ていた。
「そんなことないですよ」
といつもの様に謙遜する彼女。まぁ、このイケメンさに悩まされていた時期もあったのだが。バイト先では由梨ら後輩からモテモテなのでいつか取られてしまうのではと焦っていた時期もあった。
しかし、彼女は今もここにいてくれている。
「……ありがと」
私はいつもなら中々言わない感謝の気持ちを言葉に表した。あまりに小さい声だったので彼女に伝わったか不安だったのだが、彼女はしっかりと聞き取ってくれていた。
「何ですか、急に」
と少し驚いている由梨。
「咲良さんがデレるなんて珍しいですね」
そんな私に「よしよし」と頭をポンポンと優しく叩いてくる。
すると私はいつもの様に体が暖かくなっていく。この温もりはきっと彼女の愛情なのだろう。
「……私、幸せだよ」
彼女はニコッと笑うと
「私もです」
と。過去の思い出に浸った私は、より一層彼女への愛情を感じられたのだった。
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ゆ - 尊い (2019年5月12日 17時) (
レス) id: 0c30cd4e30 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 途中までしか見ていませんが、とても僕はこの作風好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - ありがとう御座います！そんなこと、あるんですね笑 もしかしたらその小説の作者さんと気が合うかもしれません笑(？) (2018年12月31日 14時) (レス) id: b9c47787f2 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - お気に入りさせてもらいました。余談ですが私の好きな小説の主人公(？)と同姓同名で少し驚きました…笑 (2018年12月31日 13時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪見だいふく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mayu02071/
作成日時：2018年12月29日 16時
