25話 ページ30
「ご注文の方、どうぞ」
今は、私のお気に入りのコーヒーショップにいる。もうこんなことなら由梨を連れてこなければ良かった、と後悔している。何故、通行人も通る中で堂々と手が繋げるのか。私にはそれは理解出来ないが、まぁ……このお出掛け自体は楽しいので良しとしよう。
「んー、じゃあカップル専用ラブリーパンケーキと……」
「は取り消しで、コーヒーとパンケーキお願いします」
危ない、危ない。また、由梨がやらかすところだった。定員にも不審がられずに済んだのだが少し気を緩めると直ぐに恋人モードに入ってしまう。ていうか私達、付き合ってないはずなのだが。
そして直ぐにパンケーキがくると、そのパンケーキを由梨が一口サイズに切ってくれる。
意外と気が利くじゃん、と思っていた最中由梨はそれを笑顔で私に向けてくる。
「はい、あーん」
はい、でた。これは逃げられないやつだ。私が「いやいや」と遠慮しても、まるで聞こえていないかのようにずっと笑顔のまま私に一口サイズのパンケーキを向けてくる。
私が仕方なくそれを食べると、気分が良くなったのかずっと私に食べさせてくる。
「見られてるから……！」
私が4口目ぐらいでそう声を発した。他のお客さんにチラチラ見られていることに気付いた私は咄嗟にその言葉がもれてしまったのだ。しかし由梨にとってそんなことは無関係。
「見せてるんです」
と開き直ると、由梨は私に向けていたフォークを自分の口へと持っていった。そして、パンケーキを一口食べると「あまっ」と言葉を発する。
由梨は甘いものが苦手なのか……
そう感じた瞬間に、私は急に顔が熱くなってくる。それに気付いたのか由梨は「どうしたんです？」と私に問いかけてくる。
由梨って、まさか鈍感？
もしも、あの行為を無意識にやっていて私に顔が赤くなっていた理由を問いかけたのなら、鈍感どころでは済まされないだろう。
私がさっきまで使っていたフォークを彼女は今さっき、使っていたはず。
完璧、間接キスじゃん。
ともう一度頭に浮かんでしまい、又もや顔に熱が集まる。しかし、私はこの状態に疑問が浮かんだ。
何故同性同士の間接キスだけでこんなに照れている自分がいるのか。
前の彼氏ではこんなことで照れなかったはずなのだが。
「な、何なの……」
私がそう声を発するとキョトン顔をする由梨。私の顔が赤くなっているのは、周りの人に見られて恥ずかしくなってるだけだとそう確信した。
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ゆ - 尊い (2019年5月12日 17時) (
レス) id: 0c30cd4e30 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 途中までしか見ていませんが、とても僕はこの作風好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - ありがとう御座います！そんなこと、あるんですね笑 もしかしたらその小説の作者さんと気が合うかもしれません笑(？) (2018年12月31日 14時) (レス) id: b9c47787f2 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - お気に入りさせてもらいました。余談ですが私の好きな小説の主人公(？)と同姓同名で少し驚きました…笑 (2018年12月31日 13時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪見だいふく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mayu02071/
作成日時：2018年12月29日 16時
