19話 ページ24
「由梨って、いつまで敬語使うつもり？」
咄嗟に口にしたのはそんな言葉。
別に、敬語を使う由梨が嫌なのではないのだが。不良の癖して絶対に敬語を使うところとかギャップ萌え過ぎるし。由梨イコール敬語みたいなもんだし。
「誰かに、注意されるまでですかね」
そこで、私の頭にはとんでもない事が思い浮かんだ。私はその考えを振り切ろうとするが、1度思い浮かん出しまったのだからもう手遅れ。そして私は由梨に言葉を放つ。
「今、私が敬語やめて欲しいって言ったら？」
由梨は少し驚いた様子を見せて「やめてほしいんです？」と私に問う。そして私はそれに対し縦に首を振る。勘違いしてほしくないのは、実際は全くそんなこと思っていないということ。ただ、敬語を使わない、言わばタメ口の由梨を見たいというただの私の興味である。
「いきなり言われても、困ります」
と困っている様子を見せる由梨。ドSなのは由梨であって私は違う筈なのだが。しかし今の私は由梨に負けないドS脳である。
「これから3回、敬語を使ったら晩ご飯抜きにしまーす」
晩ご飯抜きは彼女にとってはとても辛いことだろう。
「咲良さん、意地が悪いですよ」
「はい、1回目」
「う“っ」と何かに攻撃されたかのような声を出す由梨。「さん付けもやめてね」と私はどんどん由梨に言葉の攻撃をしていく。彼女はこう見えて真面目なのでタメ口には慣れていないだろう。
「で、晩ご飯何がいい？」
私は彼女にそう声をかける。
「何でもいいで……、何でもいい、よ」
あまりにも可愛過ぎないか。言い出しっぺは私だがこれから心臓が持つ気がしない。このまま死ぬんじゃないか。それより死んでいい気がする。
「由梨、私を殺す気？」
やはり慣れとは怖いものだ。ただ、1人の女の子がタメ口で話しているだけではないか。
「違いま……っ、違う、から！」
タメ口に慣れてはいないといえ、こんなに人って可愛くタメ口を使えるのか。彼女はもしかしたらとんでもなくあざといのかもしれない。
すると顔を赤くしている由梨は何を思ったのか、私の耳元に自身の口を近づける。
「咲良、好きだよ」
「……ッ、」
と耳元で吐息混じりにそう声を発する由梨。それに私は身体中の熱が顔に集まるのが分かる。私はそれに両手で顔を隠す。私の心臓は既に爆発寸前である。
「タメ口やめて貰っていいですか」
すると由梨はしてやったり顔をする。私は、一生由梨に勝てないと自覚させられた。
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ゆ - 尊い (2019年5月12日 17時) (
レス) id: 0c30cd4e30 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 途中までしか見ていませんが、とても僕はこの作風好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - ありがとう御座います！そんなこと、あるんですね笑 もしかしたらその小説の作者さんと気が合うかもしれません笑(？) (2018年12月31日 14時) (レス) id: b9c47787f2 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - お気に入りさせてもらいました。余談ですが私の好きな小説の主人公(？)と同姓同名で少し驚きました…笑 (2018年12月31日 13時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪見だいふく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mayu02071/
作成日時：2018年12月29日 16時
