17話 ページ22
「ただいまー」
仕事仲間と飲んでいた咲良さんは20時過ぎに家に帰ってきた。
桃子さんは芸能人の仕事が忙しいらしく、しばらく家に帰ってきていない。
その為、私は1人で暇を持て余していた。
「咲良さん、お風呂湧いて……、」
と私が言いかけている時に、咲良さんは私を玄関で押し倒す。長い付き合いだが、咲良さんから押し倒されたのは初めてで心臓が壊れそうだ。
しかし、玄関だというにも関わらず咲良さんは自分のシャツのボタンをプチプチ外していく。
私はそれに少しだけ焦ってしまい咄嗟に声がもれてしまう。
「ちょ、咲良さん、流石にお風呂入ってきてから……」
と。お酒のアルコール臭を体から放ち続ける咲良さんに声をかける。
しかし咲良さんは相当酔っているらしい。彼女は「いいの、いいのー」と私の言葉に、適当に声を返してくる。
私はここでコレはまずいと本格的に焦り始める。
「ま、咲良さん！普通にお酒臭いんです！」
と。私が必死に言葉をかけるも酔っている咲良さんには全く効く術もない。
「匂いなんて気にしなーい」と自分のシャツを脱ぎ捨てると、今度は私の服にまで手を掛け始める。
私は、今までに攻められたことはあっただろうか。
普通なら、私が攻めるはずたのだが。
「立場が、逆です……ッ！」
私は、私の服を器用に剥ごうとする咲良さんの手を必死に払うが既に手遅れ。
そして、咲良さんはいつもとは逆のポジションでその行為を始める。
＊
「由梨、何その体……」
明るく太陽が差し込む朝。咲良さんは薄着の服から見える私の体を見ると、怪奇そうにそう声を発する。
私は、下になったのは昨日が初めてだった。
しかし、私には攻める方が合っているのだと確認させられた。
お酒の勢いだろうか。彼女は服を着てても見える場所にも沢山のキスマークを付けてきたのだ。
まぁ、酔っていたから当の本人は覚えていないらしいが。
私はそれに少々腹が立つ。
「ひどいですよ」
私がそう言うと「え、え」と訳の分からないという様子で私を見てくる咲良さん。しかし、私が下になっただなんて死んでも言いたくない。
私は、湧き上がる怒りを抑えながら咲良さんに「いってらっしゃい」と無理やり会社へ向かわせようとする。それに少し違和感を覚えたのか咲良さんは不安そうに私に声をかけてくる。
「怒ってるの？」
しかし、私はそれに応えず「いってらっしゃい」と腕を組みながら彼女に言葉を放ち続けたのだった。
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ゆ - 尊い (2019年5月12日 17時) (
レス) id: 0c30cd4e30 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 途中までしか見ていませんが、とても僕はこの作風好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - ありがとう御座います！そんなこと、あるんですね笑 もしかしたらその小説の作者さんと気が合うかもしれません笑(？) (2018年12月31日 14時) (レス) id: b9c47787f2 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - お気に入りさせてもらいました。余談ですが私の好きな小説の主人公(？)と同姓同名で少し驚きました…笑 (2018年12月31日 13時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪見だいふく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mayu02071/
作成日時：2018年12月29日 16時
