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針をレコードの腕の先端に付けて、プレイヤーが完成した。
ラボの外にいた村人たちは、ざわざわと話す。

創始者の声が聞こえる。
そんな事態に立ち会わないはずがない。


「おっし、回すぞ銀狼」
「うん、わたあめ機で鍛えたんだぅ、グルグル回し」


それをチラリと確認した千空は銀狼に呼びかける。
銀狼は朗らかに返事をして、早速プレイヤーの再生を始めた。

ボツボツ……
ザザ……


《これを聞いている、何百年後か何千年後かのどなたか分かりませんが、私は宇宙飛行士の、石神百夜と申します》


「おぉぉ〜〜〜!!!!」


小さな箱の中にある、小さなガラスの円盤から声が聞こえた。
皆が驚きに声を上げる。

千空はうるせぇ、と少し迷惑そうに言うけど、どこか嬉しそうだ。

低くて真面目な、けれどどこか頼もしい声。

こんな、人だったんだな。


《なんつってな!堅っ苦しい建前、ハイ終わり!石化から復活を遂げて、今このレコードを聞いてんのは千空、お前だろ。分かるんだよ俺にゃあ》


丁寧な挨拶に自然と聞き入っていたが、レコードはいきなりおどけた声音に変わった。

しかしそこにある信頼に溢れた言葉に、笑みが零れる。
普通の親子ではないけれど、こんなにかたい絆で結ばれているんだ、この二人は。


《何百年何千年……もしかしたらとんでもねぇ時を超えて、俺からお前への最後の通話だ。……つってもそっちの声は聞こえやしねぇがな。千空、忘れんな。俺はずっと……ずっと………………》


少し涙ぐむような声につられて、何人かが目を潤ませる。
──が、


《んにゃ、そういう親子の感動うんたらは要らねぇ派だな、お前は!とっとと本題へ行こう!》


「ククク、わかってんじゃねぇか!」


やはり千空の父親、サックリとした性格のようだ。
千空も当然だと笑った。


「ドライだな、父上に」
「や、コハクも大概だからね」


コハクの残念そうな、呆れたような言葉に思わずツッコむ。
いやいや、根に持ってるとかないけど、君のお父さんの盾……


《千空、もしもお前がまだ村の皆の心を掌握できずに困っていたら……これを聞かせるといい!》


──音楽の灯火の消えた彼らに!


《No where to turn.
No where to hide.
Between a rock and a hard place.
Someone to find and I know that times are tough.
Just down and out putting my faith in tomorrow──》


突如聞こえた歌声。
それは、石化前誰もが聞いたことがあるはずのもの。

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マジモンの名無し(プロフ) - たむたむさん» かなり過ぎてますが。もしまだ夢小説やっているのでしたら更新できませんでしょうか、、久しぶりにこのような素晴らしい作品に出会えて感動しております 陰ながら応援させていただきます (1月29日 15時) (レス) @page15 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
たむたむ - 更新しないんじゃん (2022年7月15日 18時) (レス) @page15 id: 957a1dccfb (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 忙しいかもしれませんが、更新待ってます!頑張ってください、応援しています…!! (2021年9月17日 18時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:___(かせん) | 作成日時:2021年4月12日 0時

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