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告白したなんて知られたく無いだろうと思って伏せたのは、間違いだったかもしれない。
というか、意味がなかった。


イチャンくんは私に告白をしてきた次の日から、よく現れるようになった。

今日も今日とて真面目に講義へ出席する私と、1年生で取る科目の多い彼はほとんど毎日顔を合わせる。
講義が被れば隣に座っていいかと聞くし、食堂で会えば一緒にランチを取ろうとついてくる。

それ自体は別に問題無いのだが、会う度に告白めいた言葉を残していくようになったのだ。


「あ、ヌナ!」

「うわ、出たイチャンくん……」

「あ、酷いですヌナ!
そんな言い方して!」



「でも、そんなヌナも好きですよ」
なんて、周りに人がいてもお構い無しという様子で、にっこり笑って堂々告げてくる。
思っていたのと違う。何この子。

告白されたという事は敢えて伏せていたから、イチャンくんからの公開告白を受ける現場に初めて居合わせたいつもの面々は、飲み物を吹き出すほど驚いていた。


「や、やっぱり
何かあったのかよ……!」


俺たちに嘘を吐くなんて、とスニョンがまた口を尖らせてぷりぷりと怒りだすから、誤解を解くのに随分と苦労した。
今となってはウォヌとジフンが「あの1年趣味悪いな」なんて茶化して笑うし、ジュンは「付き合うのー?」なんて朗らかに聞いてくる。そんな訳ない。


「付き合わないよ!対象外です!」

「えっ、そんな、ヌナ!」

「ちょっとイチャンくんは黙ってて!」

「はい……」


私が言えば、しゅんと引き下がる。
私の言うことを全く聞かない訳ではなくて、寧ろよく聞いてはくれる。気を使ってくれるし、悪い子では無いと思う。スニョンが可愛がっているのもわからなくはない。

ただ、告白だけは辞めてくれないのだ。


「Aちゃんの事が大好きなんだね」


そんな風にジュンが笑うけど、日常化してきた告白は私の中でどんどんと意味の褪せたものになりつつある。
びっくりしてドキドキしたのなんて、最初の数回だけだ。


「ただの、可愛い後輩のひとりだよ」

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my(プロフ) - skyさん» ありがとうございます!少しずつですが更新続けていけたらいいなと思いますのでよろしくお願いします! (2020年11月11日 23時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
sky - このお話の更新が楽しみです!更新頑張ってください!! (2020年11月11日 21時) (レス) id: 31a51e30b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:my | 作成日時:2020年11月9日 1時

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