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「いただきます！」
「…………おん」
「あはは、返事してくれるんだ」
「…………」
「ごめんなさい、嬉しくて
誰かと一緒にご飯食べるの」
私が笑うと彼は眉を寄せて嫌そうな顔をしたけれど、やっぱり膨らんだ頬がかわいくて、ちっとも怖くはない。
あれから自分用にご飯とスープを準備して、余っていたおかずなんでもかんでも持って、彼の向かい側に座った。
「食べたいのあったらどうぞ？」
「…………」
「あはは、嫌そうな顔〜！」
「…………」
「美味しいものは、分けた方がいいんです」
その方が、幸せだから。
私の言葉に、彼は一度呆れた様子で眉を動かしたけれど、それから少し目を細めて、まあわからなくはないと言わんばかりに、何度か小さく頷いてみせた。
「…………孫がそんなんじゃ
店、利益出ないんじゃないの」
「そんなことないですよ！
そこそこくらいです、多分」
「……まぁ、俺もこの店
無くなったら困るし」
「え……」
「あんま勝手にサービスしすぎんなよ」
ここのご飯は美味いんだから、と、何故か彼が誇らしげに言うから笑ってしまう。
また口いっぱいにご飯を頬張った彼を見つめる。
本当に気持ちいい食べっぷりで、いいなあ。
私がにこにこしながら見つめるのを、彼はまだほとんど口にご飯が入ったままの顔で「何だよ」と訴えかける。
「いえ、美味しそうに食べるから
いいなぁって」
「…………」
「私、ご飯を美味しそうに食べる人が
好きなんですよね」
「…………は」
「あと、誰にでもサービスするわけじゃなくて
だからお店は大丈夫です」
こんなに大サービスしたの、お客さんにだけですよ？
私がそう言えば、彼は向かいの席でごほごほとむせ始める。
慌ててお茶を差し出せば、彼はそれをぐいと飲み干して、「お前、本当何？」と恨めしそうにこちらを睨んだ。
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svt11117(プロフ) - ほんとにすごく今更だけど、何故か急にこのお話のこと思い出して無性に読みたくなっちゃって漁りまくって読み返しちゃいました！初めて読んだ時と変わらずとても面白くて一瞬で読んじゃいました笑笑 自粛期間の私の唯一の楽しみでした、ありがとうございました､!! (2023年3月10日 20時) (
レス) @page30 id: 45166a94c7 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - あやまろさん» コメントありがとうございます。書きながらちゃんと面白いのだろうかと思っていたので、そう言って頂けてうれしいです。引き続きよろしくお願いします！ (2020年11月8日 22時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
あやまろ(プロフ) - 初コメさせていただきます！今1番更新が楽しみな作品で更新される度ニヤニヤして読んでます笑 そして何よりお忙しい中更新してくださってありがとうございます！ (2020年11月8日 17時) (レス) id: 74f0e4a445 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - ★たくさんお気に入りしてくださってありがとうございます！このお話は年内に完結するようにがんばりたいと思います。また別のお話や短いお話も書きたいなと思っています！ (2020年11月5日 19時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - めぐさん» お返事遅くなってすみません！コメントありがとうございました……！まただいぶ間隔があいてしまいましたが少しずつ進めていけたらと思っています。これからもよければお付き合いください！ (2020年10月17日 4時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：my | 作成日時：2020年2月16日 0時
