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「じゃあ『いつもの定食』と、
コーラですね」

「…………ん」

「はーい、おじいちゃん〜
二番ご飯大盛り〜」


ご飯大盛りとは、言われてないけど。
それに『いつもの』って言っても、私はまだ二回目だけど。
彼は先日あれだけ頑なに外さなかった帽子を意図も簡単に脱ぐと、ふんわりとした髪をかきあげて、そしてすぐに被り直した。
髪が邪魔なんだろうか。
想像していたよりずっと明るく脱けた髪だったから、やっぱり何をしている人なのか、よくわからない。

おじいちゃんは慣れた様子で、「二番もうやってる」と厨房の奥から答える。
彼のお気に入りはメニューの二番目に書かれたもので、だから私たちはそれを二番と呼ぶ。
おじいちゃんが彼の『いつもの』を覚えてるくらいだから、本当によく来ているんだ。
詮索モードに入る私におじいちゃんは「A、コーラ出して看板下げてきな」と、店仕舞いの合図を言い渡す。


「はーい、コーラです」

「……どうも」

「外の看板下げますけど、
気にせずゆっくりして行って下さい」

「……はぁ」

「ごゆっくり〜」


冷やした瓶のコーラは、美味しい。
少なくとも、お酒なんかよりはずっと。
そう思いながら外に出て、看板を下げる。
空は紺色だけど、繁華街の方だけ薄っすら白んでいるように見える。
彼も、あの辺りで働いているのだろうか。

店の中に入ると彼はもうコーラを飲み干す勢いで、なんとなく追加されるような予感がする。
冷蔵庫から取り出した瓶を差し出して「もう一本いきます?」と聞けば、彼は何も言わずにそれを受け取った。


「……あ、そうだ
この間のお弁当、どうでした?」

「…………」

「私のおすすめ、
いっぱい入れたんですけど」


そう言えば、彼はコーラの蓋をあける手をとめる。
それからはっと何かを思い出したような顔をして、私の方を見る。
あれ、なんか不機嫌そう。


「ーーおい、孫」


…………おい、孫?

.→←2皿目



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svt11117(プロフ) - ほんとにすごく今更だけど、何故か急にこのお話のこと思い出して無性に読みたくなっちゃって漁りまくって読み返しちゃいました!初めて読んだ時と変わらずとても面白くて一瞬で読んじゃいました笑笑 自粛期間の私の唯一の楽しみでした、ありがとうございました、!! (2023年3月10日 20時) (レス) @page30 id: 45166a94c7 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - あやまろさん» コメントありがとうございます。書きながらちゃんと面白いのだろうかと思っていたので、そう言って頂けてうれしいです。引き続きよろしくお願いします! (2020年11月8日 22時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
あやまろ(プロフ) - 初コメさせていただきます!今1番更新が楽しみな作品で更新される度ニヤニヤして読んでます笑 そして何よりお忙しい中更新してくださってありがとうございます! (2020年11月8日 17時) (レス) id: 74f0e4a445 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - ★たくさんお気に入りしてくださってありがとうございます!このお話は年内に完結するようにがんばりたいと思います。また別のお話や短いお話も書きたいなと思っています! (2020年11月5日 19時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - めぐさん» お返事遅くなってすみません!コメントありがとうございました……!まただいぶ間隔があいてしまいましたが少しずつ進めていけたらと思っています。これからもよければお付き合いください! (2020年10月17日 4時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:my | 作成日時:2020年2月16日 0時

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