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お腹がいっぱいになるとどうしてこんなにも眠くなるんだろう。
確か血液中のグルコース濃度が高くなって、それで……何だっけ。ぼんやりする頭で考えながら、彼からお代を受け取る。
「眠くないんですか?」
「めちゃくちゃ眠いわ」
「じゃあ……」
「……言われなくても少し寝るっつの」
お釣を渡す手で、念押しするように彼の手を握る。彼は眠そうに細められた目を見開いて、それから目を伏せた。
お釣を握りしめた手を乱暴にポケットにしまうと、そのままくるりと後ろを向いて出口へと進む。
扉の外ではもう日の光は高く、眩しくなっている。
「まぶし……」
「ん、じゃあな」
「はい、また来てくださいね!」
「おん」
ぱかぱかと彼の足元でサンダルが歌う。
本当に彼は眠るのだろうか。お腹がいっぱいになってふわふわの思考のまま、背中を見つめる。
店はこれから営業だ。私は今日一日、ここでまだ立っていなきゃならない。眠たい目を擦って、看板を出そうと一歩足を踏み出すと、躓く。ガタンと大きな音がして、彼が振り返る。
「…………あ」
「おい、大丈夫かよ」
「え、あ……すみません
大丈夫」
「ならいいけど
てか、看板出してなかったんだな」
気がつかなかったというように、彼は呟く。
眩しい太陽を背にした彼は、眩しい。
暖かくて、お腹がいっぱいで眠たい。このままベッドに潜り込んで、何にもしない一日だったらいいのに。美味しいものを食べて、楽しい話をして、眠りたい。それで側に誰かがいてくれたら、最高なのに。
彼は、そんな風に思うこと、無いのかな。
「……だって、他にお客さん来たら
話せなくなっちゃうでしょ?」
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svt11117(プロフ) - ほんとにすごく今更だけど、何故か急にこのお話のこと思い出して無性に読みたくなっちゃって漁りまくって読み返しちゃいました!初めて読んだ時と変わらずとても面白くて一瞬で読んじゃいました笑笑 自粛期間の私の唯一の楽しみでした、ありがとうございました、!! (2023年3月10日 20時) (レス) @page30 id: 45166a94c7 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - あやまろさん» コメントありがとうございます。書きながらちゃんと面白いのだろうかと思っていたので、そう言って頂けてうれしいです。引き続きよろしくお願いします! (2020年11月8日 22時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
あやまろ(プロフ) - 初コメさせていただきます!今1番更新が楽しみな作品で更新される度ニヤニヤして読んでます笑 そして何よりお忙しい中更新してくださってありがとうございます! (2020年11月8日 17時) (レス) id: 74f0e4a445 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - ★たくさんお気に入りしてくださってありがとうございます!このお話は年内に完結するようにがんばりたいと思います。また別のお話や短いお話も書きたいなと思っています! (2020年11月5日 19時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - めぐさん» お返事遅くなってすみません!コメントありがとうございました……!まただいぶ間隔があいてしまいましたが少しずつ進めていけたらと思っています。これからもよければお付き合いください! (2020年10月17日 4時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:my | 作成日時:2020年2月16日 0時