見上げてみれば、花開く。【煉獄杏寿郎、猗窩座】

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煉獄さんと病室で少し話をした後
私は蝶屋敷を出ることにした
しのぶさんに貰った薬のお陰でもう怪我の痛みはほとんどない

屋敷の門の近くでしのぶさんを見かけ声をかける


「しのぶさん、お世話になりました」

「あらAさん、もう出られるのですね
　お渡しした薬をちゃんと塗って、包帯もこまめに取り替えるようにして下さいね」

「はい。本当にありがとうございました」


私はお礼を言って頭を下げる
そしてわたしの隣からもうひとつの声


「胡蝶！世話になったな！」


何故が煉獄さんが隣にいる
この人病室からずっと私の後をついてきているのだ


「それで何故煉獄さんも一緒にいるんですか？」


しのぶさん！よくぞ聞いてくれた！
私は煉獄さんの方に視線を向ける


「うむ！Aに少し用があってな！」


用…とは…？

とりあえずここを出よう
けが人がいる蝶屋敷で煉獄さんのこの声量はまずい…

私はもう一度しのぶさんにお礼をしてから
蝶屋敷の門をくぐった

しばらく歩くと私はくるりと振り返り後ろをついてくる煉獄さんに声を掛ける


「あの、煉獄さん
　私に用とはなんでしょうか？」

「うむ！
　俺にAの炎の呼吸の型を見せてもらいたい！」

「型を…ですか？」


炎柱に型を見せるとはどんなイベントだよ
意味不明すぎる


「昨日森でAの型を見た時すごく綺麗で見惚れてしまってな
　もう一度見たいと思ったのだ！
　だめだろうか？」


煉獄さんは特徴的な眉毛を下げながらそう言った


「だめ、ではないですが…」

「そうか！では決まりだな！行こう！」


煉獄さんはわたしの横を通り過ぎスタスタと歩いていく


「え！どこへ行くんですか？」

「俺の屋敷だ！」


煉獄さんの屋敷？
炎柱の屋敷で炎の呼吸の型を見せる？

いや、やっぱり意味不明だ




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