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猗窩座の後ろで大きな花火が上がる


思い出したあの人の名前を
わたしが会いたかった人

それはいま目の前で自分を殺そうとしている紛れもないこの人だ


花火の逆光で少し暗くなる猗窩座の顔と
夢の中の人の顔が重なる


「…狛治さん」


消えそうな声で名前を口にすると
猗窩座はその名に目を見開いた


「…!!!!!」


私の手を掴む力が弱まり
拘束が解かれた手をそっと伸ばし猗窩座の頬に触れる


「お前…その名前を…どこで」

「やっと思い出せた
 やっと会えた」


私の目には鬼の猗窩座ではなく
夢の中の男の人の姿が映っている


「お前は…何者なんだ」


頬を触る私の腕を猗窩座が掴もうとした瞬間


「A!!!!!!」


遠くから私の名前を呼ぶ大きな声が聞こえた
猗窩座はその声にハッとしてわたしから離れ
その場から逃げるように夜の森の中を駆けていった


「A!!!!!!」

「杏寿郎さん…」

「A!無事か!」


杏寿郎さんは倒れる私をゆっくり起こし
怪我の状況を確認する


「大丈夫です
 足を挫いただけなので」

「額から出血している
 すまない…俺がもっと早く来ていれば」


杏寿郎さんは持っていた手拭いで額の血を優しく拭った後わたしを強く抱きしめる
その体は小さく震えていた


「待ち合わせ場所にAの姿が見えず
 鬼の気配がしたのでまさかとは思ったが」

「ごめんなさい
 勝手なことをして」

「謝らないでくれAは悪くない
 無事なら良いんだ
 鬼は…どうした?」

「杏寿郎さんの声にびっくりして逃げて行きましたよ」


そうかと一言呟き
早く手当てをしようと私を横抱きにして杏寿郎さんは急いで屋敷へと向かって行った


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5(猗窩座side)→← 3



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 猗窩座   
作品ジャンル:アニメ
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あじゅまる(プロフ) - sherryさん» コメントありがとうございます(^^)嬉しいです!今日の夜には続編更新する予定ですので待ってて下さい(*´ω`*) (2021年1月22日 16時) (レス) id: 0c8e0f323e (このIDを非表示/違反報告)
sherry(プロフ) - 初めまして!めちゃくちゃ 面白くてハマてます!続編楽しみにしてます(*´∇`*) (2021年1月22日 0時) (レス) id: 4b3762cb7d (このIDを非表示/違反報告)
あじゅまる(プロフ) - 莉子さん» 莉子さんまたコメントありがとうございます(*´ω`*)嬉しいですぅ!そんな事言われちゃうと終わらせたくない気持ちになります…笑!でも書く予定のお話はまだありますのでまだ続きます!ここから先猗窩座のカッコいいシーンありますのでお楽しみに…♪( ´▽`) (2021年1月21日 20時) (レス) id: 0c8e0f323e (このIDを非表示/違反報告)
あじゅまる(プロフ) - monさん» 初めまして!コメントありがとうございます(^^)そう言って頂けて本当に嬉しいです(;_;)更新頑張りますので是非最後までお付き合い下さい(*´∀`*) (2021年1月21日 20時) (レス) id: 0c8e0f323e (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - あじゅまる様!更新嬉しいですぅ( ; ; )そしてめちゃくちゃ面白いです!!次で完結ですか!?寂しいです( ; ; )このお話凄く読みやすくて、毎日楽しみに更新をお待ちしているので。。!!早く続き読みたいけど終わるのは寂しいです笑猗窩座もカッコいいです。。! (2021年1月21日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あじゅまる | 作成日時:2020年12月28日 0時

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