見上げてみれば、花開く。【煉獄杏寿郎、猗窩座】

夢 ページ28

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「私は＿＿さんがいいんです
　私と夫婦になってくれませんか」


「はい。
　僕は誰よりも強くなって
　一生あなたを守ります。」



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またあの夢を見た
最近やけに頻繁に見る様になった夢
思えば無限列車の任務以降見る頻度が増えた気がする

わたしと手を取る、
顔の見えない名前も分からないあの男の人は誰なのか


非番である今日はいつもより遅く起きて縁側に腰掛けさっきの夢を考えてみる
すると後ろから聞こえた声


「Aさん？どうかなさったんですか？」


振り返るとお茶を２つお盆にのせた千寿郎くんが心配そうに眉を下げながら立ってる


「千寿郎くんおはよう」

「おはようございます
　お茶をお持ちしました」


千寿郎くんは私の隣にちょこんと座り
差し出されたお茶をありがとう、と手に取り一口飲む


「最近ね同じ夢を見るの」


隣に座る千寿郎くんに夢の話をする
そういえばこの話しを人にするのは初めてかな

一通り話し終わると千寿郎くんが口を開く


「それは前世の記憶かもしないですね」

「…前世？」

「はい。前に聞いたことがあります
　何度も同じ夢を繰り返し見ることは前世の記憶が夢によって蘇っていると」

「じゃあ、あの夢はわたしの前世の記憶
　てことはあの男の人はわたしの…」

「その夢の男性はAさんが前世にお慕いしていた方かもしれないですね」


千寿郎くんはそういって微笑んだ


前世か
前世なんて信じているわけではないけど
千寿郎くんが言うなら信じてみても良いかも


その後も2人で話をしていると
また後ろから声を掛けられる


「A！！」


大きな声にビクッとしながら振り返る


「今日は非番だったな？
　夜街の方で花火が上がるそうなのだが一緒に見に行かないか？」

「花火…？
　花火！！行きたいです！」


思いもよらぬ誘いに持っていたお茶を溢しそうになった

杏寿郎さんとお出掛け！しかも花火！
花火見たい！！


「良かったですねAさん」


やったー！と喜ぶ私に
千寿郎くんはそう言って笑う


「うむ！では行こう！
　俺はこれからお館様に話がある
　それが終わってから向かうから待っていてほしい」


久しぶりにみた杏寿郎さんの隊服姿に私は察する
きっとお館様に柱を引退することを伝えるのだろう


「はい！分かりました！
　じゃあ準備して先に行って待っていますね」


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