見上げてみれば、花開く。【煉獄杏寿郎、猗窩座】

想い ページ23

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「…ん」

重いまぶたを開くと見慣れた天井が広がっていた
体はそのまま目線を移すとしのぶさんの姿が目に入る

蝶屋敷だ


「しのぶさん…」

「あらAさん
　目が覚めたんですね」


ゆっくりベッドから起き上がろうとするが全身に痛みが走る
しのぶさんによると私は全身打撲と右腕に深い傷が入っているそう
幸いそれほど重症ではなかった私は任務の翌日にこうして目を覚ました

そうだ私煉獄さんと任務に行って…
一番新しい記憶を思い起こしハッとする


「煉獄さんはっ？！」

「煉獄さんは重症ですが命に別状はありません
　隣の部屋で眠ってますよ」


そうですか…
ホッとすると全身の力が抜ける
一緒に任務あたっていた炭治郎くんたちも怪我は負っているものの命に別状はないと聞き安心する


「あのAさん
　あなたに会いたいという人たちが来てるんですが」

「私にですか？」


私に会いたい人たち？
誰だろう？炭治郎くんたちかな？


「どうぞ」


しのぶさんが部屋のドアを開けると
ゾロゾロと見た目が個性的な人たちが入って来た


「おーこいつが噂の煉獄の継ぐ子か！
　派手に地味なやつだな！」

「とっても可愛いわ！キュンキュンしちゃう！」

「…えっと、どちら様でしょうか？」


見覚えのない顔ぶれに頭上にはてなマークを出していると
しのぶさんが、私と煉獄さんと同じ柱の方達ですよと言って
順番に紹介をしてくれた

音柱 宇髄天元
恋柱 甘露寺蜜璃
風柱 不死川実弥
蛇柱 伊黒小芭内

私は姿勢を正し自己紹介をすます


「他の柱もお前に会いたがってたんだがあいにく任務でな
　煉獄のやつも全然紹介してくれねぇからこっちから派手に来てやった！」


その後、柱の方達と少し話をする
宇髄さんには煉獄さんとの関係を根掘り葉掘り聞かれ
甘露寺さんには今度甘味処に行きましょう！と誘われ
不死川さんには俺と手合わせしろとほぼ命令口調で言われ
伊黒さんは私と甘露寺さんが話しているのをただ見ていた


しばらく話をした後皆さん一斉に帰って行った
さっきまで騒がしかった部屋が急に静かになる


そういえばしのぶさんが煉獄さんは隣の部屋にいると言ってたっけ
私は体を起こし病室を出て隣の部屋へと向かった

トントンとドアを軽く叩き小さな声で失礼しますと言いながら静かにドアを開ける
中を見渡すと奥のベッドで眠る煉獄さんの姿があった


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