見上げてみれば、花開く。【煉獄杏寿郎、猗窩座】

継ぐ子 ページ14

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ドン！ドン！


翌朝荷物の整理をしていると
家の戸が勢いよく叩かれた


「A！迎えに来たぞ！」


煉獄さんだ
私はゆっくりと戸を開ける


「おはようございます。煉獄さん。」

「おはよう！A！
　荷物はまとまったか？」

「はい。
　あの、煉獄さん
　私を継ぐ子にしていだたける件ですが…」

「うむ！それだけか！少ないな！
　早速行くとするぞ！」


煉獄さんはわたしが手に持っていた荷物を軽々と持ち上げ
煉獄家まで向かって道を歩いていく

ああ、だめだこの人全然話を聞いてくれない

私は急いで煉獄さんの後ろ姿を追いかけていった



昨日ぶりの大きな屋敷と門の前で掃き掃除をする小さな姿が見えた
千寿郎くんは私たちに気付きパアッと笑顔になる


「兄上！Aさん！
　おかえりなさい」

「千寿郎！帰ったぞ！」

「千寿郎くん！おはよう！昨日ぶりだね！」


私は前を歩く煉獄さんを追い越して千寿郎くんの元へ駆け寄り
フワッと抱きしめる


「あの、Aさん…」

「今日も可愛い！やっぱり天使！」


煉獄さんはよもや！と驚きながら急いで私と千寿郎くんを引き剥がす


「千寿郎くん可愛すぎて弟にしたい」

「む！だめだ！千寿郎は俺の弟だからな！」


ぐぬぬ…手強いお兄さんだ
私は行き場をなくした両手をゆっくりと下げた


「千寿郎！改めてAが俺の継ぐ子となった！
　今日からこの屋敷で一緒に暮らす
　部屋へ案内してくれ」

「はい！分かりました」


Aさんこちらへと千寿郎くんは屋敷の中へと入っていく
その姿を追いかけていくと一つの部屋の前に着いた


「ここがAさんのお部屋です。好きに使ってください
　隣が兄上の部屋なので何かあればいつでもと言っていました」


私は襖の隙間から部屋を覗き込む

えぇ！？広い！！！
広すぎやしませんか？


「え、ここ一人で使って良いの？」


部屋の広さに驚きを隠せないまま振り向くと
千寿郎くんは「はい！」と笑顔満点で私に向かって言った


部屋に入り荷物を開け整理をする
すると外で煉獄さんと千寿郎くんが楽しそうに話をしている声が聞こえてきた

私なんかが煉獄さんの継ぐ子だなんて務まるだろうか
そんな不安が頭をよぎる


一通り荷物の整理が終わり部屋でこれからのことを考えながらぼーっとしていると
部屋の向こうから大きな声がした


「A！早速鍛錬するぞ！」


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