星 ページ30
なんとなく目が覚めてしまった午前3時。
かすかに風を感じてあたりを見回すと窓が開いており、テラスにとしみつ君が立っていた。
私も起き上がって側に寄ると、肩にかけていた薄い毛布に入れてくれた。
彼の見上げる濃紺の夜空には白い星が散りばめられていて、自然の美しさを感じさせる。
時折吹く冷たい風が、まだ少し湿った髪を優しく撫でた。
「満月だな」
この雰囲気がそうさせるのか、彼は珍しくしっとりとした言い方をする。
「うん」
雲ひとつない空が月の明るさを際立たせる。
淡い黄色を発する、クレーターだらけの星が目の前にある。
少し強い風が吹く。私たちは身を寄せ合い、ぴったりくっつく。
しばらくそのまま空を見ていた。
「…なぁ」
「ん？」
軽く顎が引かれ、少し傾けられる。
唇に何かが触れて…
…離れた後にキスだと気づいた。
この状況でするためだけに用意されたような、浅く、それでいて甘い口づけだった。
バクバクと鼓動がうるさい。
顔が真っ赤になるのがわかる。
「好きやよ」
空に吸い込まれそうな声でそう言った彼は、緊張しているようだった。
「私も」
私がそう言うと、彼は私の頭をゆっくり撫でた。
地平線の向こうから陽が見え、空が淡く染まっていった。
夜明けを知らせる小さな鳥が鳴いた気がした。
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文京(プロフ) - ３９ページ、誤字があったので訂正しました。すみません。 (2018年7月30日 18時) (
レス) id: eb622d5a37 (このIDを非表示/違反報告)
文 - あーーちゃんさん» 文京の別垢です、はじめまして！ えええありがとうございます！とっても嬉しいです(*´ω`*) (2018年5月21日 0時) (レス) id: 627cf57071 (このIDを非表示/違反報告)
あーーちゃん(プロフ) - 始めまして！一気に読まさせて頂きました！これからも楽しみにしてます！ (2018年5月20日 22時) (レス) id: daaf408da9 (このIDを非表示/違反報告)
文 - Miaさん» あ、すみません。作者の別垢です。 (2018年5月4日 18時) (レス) id: 31b0a3845b (このIDを非表示/違反報告)
文 - Miaさん» Maiさま、コメントありがとうございます！返信遅くなってごめんなさい。 褒めていただけるとは思っていなかったのでニヤニヤが止まりません、本当にありがとうございます(о´∀`о)これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年5月4日 18時) (レス) id: 31b0a3845b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文京 | 作成日時：2018年5月3日 13時
