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【番外】或る日の午後 ページ38

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或る日の午後



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之はまだ、Aが探偵社に入る何ヶ月も前の話。



Aは早朝以外のほとんどを家で自分の店でもある古本屋で過ごす。


店といっても個人経営のとても小さいものであるが、A一人が暮らすには充分な収入であった。




古本屋以外にも、朝に新聞配達の仕事を行っているが、その話はまた日を改めるとしよう。


さて、このAが経営する古本屋は(一般的な古本屋もそうであるが)、本の買取りと販売の主に二つを行っている。




元々、A自身も読者が好きなお陰で、お客が全く来ない日には店内に在る本の隅から隅までを読み倒す程である。



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正午を少しまわった頃、まだ一人もお客がやって来ないので掃除をしていた所に本日、一人目となるお客がやって来た。



いらっしゃい、とAが声を掛けると本の買取りを頼みたいと言ってきた。眼鏡の男だ。




「この本を頼みたいのだがいいか?
値段は幾らでも構わない。取り敢えず引き取ってくれ。」



時間が無いのか仕切りに腕時計に目をやっていた男は、職場の同僚の本だというものをAに寄越した。



『...念の為、御本人様の確認が必要なのですが...』



「いや、この本が在るせいで其奴が働かんで困ってるんだ。確認は要らん。」




チラリとこの、問題の本の題名を見ると要はおおよそ、その男が困る理由が理解出来た。




『解りました。御引き取り致します。』




手続きを済ませると直ぐに男は帰っていった。
先程、同僚から電話があったせいだ。



『(同僚さん、大丈夫かな...、心配だな...。)』

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後日この男とその同僚とはいずれAは出会う運命であった事を此処に記しておく。




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因みにその本の名は「完全自 .殺マニュアル」。

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mayoshougn(プロフ) - サランラップ斎藤さん» コメントありがとうございます。これからも頑張りますので続編でも是非よろしくお願い致します! (2016年11月14日 8時) (レス) id: b4d55729d2 (このIDを非表示/違反報告)
サランラップ斎藤(プロフ) - めっちゃ面白かったです! 主人公くんのキャラもめっちゃ良かったです! 続編楽しみにしております!! (2016年11月12日 23時) (携帯から) (レス) id: 73140b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
mayoshougn(プロフ) - ♪らんらん♪さん» コメント、ご報告、ありがとうございます。修正致しました。今後気を付けますのでこれからも是非よろしくお願いします。 (2016年10月30日 5時) (レス) id: b4d55729d2 (このIDを非表示/違反報告)
♪らんらん♪ - 5話の太宰さんの一人称が「私」じゃなくて「僕」になってますよー とても面白いでので 更新頑張って下さい。 (2016年10月29日 21時) (レス) id: 67007390ca (このIDを非表示/違反報告)
mayoshougn(プロフ) - *もちもちにゃんこ*さん» コメントありがとうございます。更新頑張りますので是非これからもよろしくお願いします! (2016年10月29日 15時) (レス) id: b4d55729d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:田棚花 | 作成日時:2016年10月25日 23時

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