７６ 大手柄 ページ42
「…よし、粗方決まったな。決行日はまた今度決めるとして、今日は寝よう。
個室は用意しといたから、そこで寝といて。じゃあ、お疲れ様」
ユーゴの言葉が頭から消えない内に、私は自室のベッドの上で体を丸めていた。
甘えたことを言っていたのかもしれない。
ランドールの城内で毎日生死の境を彷徨ってきた彼らからすれば、私の考えは甘すぎるのだろう。
落ち込みが止まらない。
深いため息が、何度も漏れては消えた。
と、その時。
ドアがノックされた。
コンコンではく、ゴンガンゴンと。
「…はーい」
「あ、あの、ダイゴ」
「ああ、ダイゴ？入って」
「失礼、します…」
ダイゴが部屋の中に入ってきた。
緊張しているらしく、いつもよりも更にオドオドしていて、ドアの出っ張った天井に頭をぶつけて頭を押さえている。
そして、その大きな体に似合わないぐらい縮こまり、彼は床に正座した。
なんだこの生物は。
「どうしたの？」
「その、さっき、ありがとう」
「さっき？」
「俺を、庇ってくれたんやろ」
…ああ、まぁ確かに「全員殺すつもりでやれ」と言われたのはダイゴで、一番最初にそれを否定する声を上げようとしていたのは彼だ。
それを私が引き継いだ形に思えなくもないが、私としてはどっちでもない上に正直どうでもいい。
でも、好意はありがたく受け取ろう。
「いや、そんなことないよ」
「ありがとう…」
「それを伝えるために？」
「うん。あ、あと、その指輪…」
「指輪？」
ダイゴが私の指輪を指差した。
これは我々だの契約に必要なもので、これをつけることで私はグルッペンに従っているっていう証明になる。
…それがどうかしたのだろうか。
「ランドールで噂が出てたんだけど、我々だの人達はそれで連絡をとってるんだって」
「…そうなの？」
「う、噂だから分からないけど…」
自信が無くて語尾が消えていくダイゴの言葉を聞き流し、私は指輪を見つめる。
小さな装飾を触っていると、カチッという音が鳴り、モニターのようなものが目の前に浮かび上がった。
「うわぁ！？」
「なんで貴方が私より驚いてるの」
「ご、ごめん」
「…でも、お手柄よ」
『っ、おい、Aか！？』
ダイゴが後ろに倒れ込む中、私はモニターに映る彼を見つめる。
そこには、ベッドで眠るグルッペンと、モニターを見て叫ぶトントンの姿があった。
もしかして、これで彼らと連絡が取れるんじゃないの。
本当に大手柄。
私はダイゴの頭をわしゃわしゃと撫でた。
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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (
レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…！これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります！ (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た！無理せず頑張ってください！ (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます！なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります！ (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月20日 12時
