４４ 秘密の道 ページ9
「…何か、騒がしいわね」
「やねー」
「兄貴、大丈夫かしら…」
「心配？」
「いや、あの兄貴のことだから、大丈夫だと思うけど…」
あっさり倒れたアルクローネを縄で縛り、私はシャオロンと共に廊下を走る。
多分、兄貴が言っていた「どこに居るかは知らん」というのは、少なくとも兄貴が探せる範囲では目に付かなかった部分ということだろう。
なら、過去に私が忍び込んでいたあの部屋が、恐らくだがアルクローネの住処だ。
私は廊下の壁の、ある一つのタイルを指で押した。
ゴゴゴと音が鳴り、壁が開いていく。
「…何や、これ…！？」
「抜け道。多分この先に、アルクローネがいるわ。
この道は分かりにくいから、シャオロンは皆にここのことを伝えて。
私は一人で行ってくるから」
「ちょっと、一人？そんなんアカンって」
「いいの」
壁の向こうに一人で足を踏み入れる私の腕を、シャオロンが掴んだ。
でも、私は最初からそのつもりだったし、閉まっていく壁のせいでもうそっちに戻ることはできない。
大丈夫。ちょっと危険なことをするだけ。
もし失敗しても、チーノに転送を頼めばいい。
私はシャオロンに笑顔で手を振り、閉まる壁で暗く染まる視界を受け入れた。
「へー、そんな抜け道があったんだ」
「ひとらん、どうする？」
「シャオロンの方に向かってもいいんだけど、エーミールが呼んでるからなぁ。
ロボロどう思う？」
「エミさん放っといたら死んじゃいそうやから、行こか」
シャオロンから報告を受けた俺とロボロは、進む方向を変えずにエーミールの元へと向かっていた。
ちょっと前から、雑兵を相手にしているはずのエーミールから連絡が途絶えていたから、心配になって話しかけてみたところ
「ひぃいいっ！」
的なエミり方してたから、俺達は仕方なく助けに向かっているのだ。
雑兵でそんなに苦戦する？と思ったが、アルクローネでもない強い奴が二人居るらしい。
大変そうだ。
「あ、居ったよ。エミさぁん！そっち大丈夫！？」
「助けてぇええ！」
エーミールが蝶を撒き散らしながら逃げてくる。
ちょっと、鱗粉で目が痛いんだけど。
ロボロも同じことを思っていたのか、手でエーミールがそれ以上近付くのを制した。
だが、エーミールは涙目でこっちに逃げてくる。
まさか、さっき通信で聞こえたみたいな、狼の首とかいう動物系じゃないよなぁ。
「どうしたの、エミさん。大丈夫？」
「超強いのが！二人！」
なんだ、人…じゃん…？
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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (
レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…！これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります！ (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た！無理せず頑張ってください！ (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます！なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります！ (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月20日 12時
