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49 襲来 ページ14

「シャオロン、ナイス!」
「いや、何…っ!?」


壁が開き、私は廊下の反対側の壁へ着地する。
そして重力の向きを元に戻し、シャオロンのパーカーのフードを掴み、駆け出した。
初めは驚いていたシャオロンだが、背後から迫る圧倒的な殺気を感じたようで、静かになって私の腕を掴んでいる。


「チーノ!オスマンを転送して!」
「分かった!しんぺい神!患者!」
「はーい」
「あと全員に通達!A、シャオロンと共にアルクローネ本体とただ今交戦中!
 手が空いている者は合流希望!あと、兄貴の首輪のスイッチは奪った!
 兄貴と戦ってる人、誰か知らないけどそう伝えて!」


オスマンが腕の中から消えたと同時に、私はそう叫んで全員に状況を伝えた。
シャオロンから手を離し、アルクローネの殺気を目の前で受け止める。
勝てるかどうかは問題じゃない。
私の現在の役目は、この国をめちゃくちゃにしたアイツを倒すために、時間稼ぎをすること。
倒すことじゃない。
仲間が集まるまで、待たなきゃ。


「…裏切り者ちゃんさぁ、」


ふらふらと体を揺らしながら、アルクローネが呟く。
今まで私が見てきた彼女とは違い、その姿には生気が無く、まるで抜け殻のようだった。
その手には小さなナイフが指の間に挟まれ、何本も握られている。
まるで上から糸で吊らされているような体の動かし方で、アルクローネは口元を押さえた。


「偉いよね、ショウのために毎日毎日…。
 でもさぁ、それって本当に、ショウが望んでたことなのかな」
「…何のことよ」
「そのスイッチ。それはショウの首輪のものだよ。オスマンが取ってった。
 腹立つなぁ。私、結構頑張って造ったんだよ、それ。だから…」
「っ…!」
「かえして」


ナイフが音もなく飛んできて、私の頬を掠めた。
長い前髪に隠れた目が、鋭く射抜いてくる。
体が動かない。
威圧感で圧し潰されそうだ。
ゆっくりと、アルクローネが近付いて、ナイフを振り上げる。


「っ、Aちゃん!」
「…!」


シャオロンが私の体を突き飛ばし、両手で握ったスコップでナイフを受け止めた。
だが、上からの圧力に耐えられずに、地面に叩きつけられてしまう。
なんでスコップとナイフの鍔迫り合いでスコップが負けるのよ…!
私はようやく威圧から解放され、アルクローネから五感を奪った。
ふらふら揺れるアルクローネの体が止まる。
今がチャンスかな…?
私は重力弾を放ち、服の中から取り出した大太刀を振り上げた。


「かえして」


 

50 ショウ、停戦→←48 壁の向こう



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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…!これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります! (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た!無理せず頑張ってください! (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます!なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります! (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フール | 作成日時:2019年3月20日 12時

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