３１ 先輩風 ページ33
「…そういう感じ…！？」
「すまん、痛いで？」
「っ！」
リョウの手から白い雷が放たれる。
毒液で壁を作るが、雷はその壁を迂回して、俺の体を貫いてきた。
バチバチと視界が白く染まり、思考が止まってしまう。
その隙を突いてリョウはすぐ後ろに回り込み、刀を振り上げてきた。
視界の白が消えた瞬間に俺は振り返って刀を防いだが、ナイフと刀だと鍔迫り合いになった時の有利不利が激しい。
勿論、ナイフの方が刀身が短いため、不利だ。
「うわっ…！」
「“雷鳴、是汝ノ王也”」
「やめろや…！」
上からの力で圧し潰される直前に、俺は毒液で彼の目を潰す。
その痛みでリョウは鍔迫り合いの刀をずらし、その隙に俺は後退したのだが、彼は目が見えない状態のまま、技の呪文のようなものを唱えていた。
呪文が必要になる技は、基本的にかなりの大技だ。
俺は大技をさえぎるために毒ガスを放ったが、彼はそれを吸いながらも技を発動させた。
「“雷神ノ系譜”」
リョウの刀から、虎の姿を模した白い雷が放たれる。
…これ、避けられないな。
俺は毒液を出せるだけ出し、手を突き出した。
目には目を、能力には能力を。
まぁ、勝てないと思うけど。
「殺しはせんから、許して」
誰が許すかよ。
そう思いながら、俺は白虎を目の前にして、目を閉じた。
「アホ！何諦めとんねん！」
光のように速いものが、隣を横切ったのを風で感じて、目を開ける。
そこには、大嫌いな先輩が立っていた。
俺を庇うように立つソイツは、白虎を竜巻で相殺しようと手をかざしていたが、状況はかなり厳しそうだ。
…なに先輩風吹かせてんだよ。ふざけんな。
俺は先輩の隣に立ち、同じように手をかざし、毒液を放つ。
「ショッピ！いつものヤツ、やれるか！」
「やれますよ」
「やるで！」
「うるさい…」
毒と風が、少しずつ雷を圧していく。
そして、後少しで押し返せると思った、その時。
俺達の背後にリョウが構えていた。
手を離せば雷、放っといたらリョウ、と板挟みにされてしまう。
「増援か…。戦いたくないんやけど、なぁっ…！」
「ショッピ！」
「はいはい」
一旦雷から手を離し、俺達は二人が揃った時にしか発動できない能力を使った。
「先輩後輩」というダサい名前の「お互いの能力を使用できる」という力を。
俺は毒の風を両手から出して雷とリョウを攻撃し、コネシマが俺の体を引っ張って最速で板挟みから逃げる。
…危機からは、脱せたかな。
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みょん - 夢主ちゃん五感を消すどころか操っちゃった (2019年8月26日 15時) (
レス) id: 58ac6e7e16 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ひよっ子さん» ご感想ありがとうございます！頑張ります！ (2019年3月17日 19時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっ子 - 主人公ちゃんの悲しい過去など とりあえず全部面白いです これからも頑張ってください！！(≧∀≦) (2019年3月17日 18時) (レス) id: a20f220c99 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - 兎危@ファンマークは子兎さん» チノ氏のキャラがまだ定まってないので探り探りですが…。これからも結構登場させるつもりです。 (2019年3月17日 9時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ファンマークは子兎 - ち、チノ氏…！？！？まさか、チノ氏を書いてる人が居たなんて……！感激ですううううう(新人組推し) (2019年3月17日 9時) (レス) id: 029d2a2f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月15日 17時
