１９ 四流 ページ21
「…そぉらっ！」
「きゃあっ！？」
ゾムがドアを開け、少女に飛び蹴りをかました。
そして、少女をそのまま窓から吹き飛ばし、外へと追い出す。
トントンが頭を抱えそうだ。
あの子がAでないことは、最初にドアを開けたときから分かっていた。
俺達の仲間の証である指輪はあんなに派手じゃないし、一度はめると取り外しができない。
それと、Aのポニーテールは、あと三ミリ高い。
細かいところだが、瞬間記憶の俺にそれは通用しないぞ。
でも、久し振りに教え子と話せた感覚は悪くはなかった。
「エミさん、行くで」
「え？ちょっと、待っ……ぁああああっ！？」
ゾムが俺の手を引き、窓から飛び降りる。
俺は悲鳴を上げながらゾムにしがみつき、お姫様抱っこの姿勢で落ちた。
泣きそうになりながら、俺は目をつぶる。
怖い怖い怖い…！
だが、着地の瞬間、俺が思っていたほどの衝撃はなかった。
「ビビり過ぎやって」
「こ、怖かったぁ…！」
思わずゾムの首にがっつり手を回してしまい、恥ずかしさに顔が赤く染まる。
だが、その俺とゾムとの間をナイフが掠め、慌ててその手を離した。
無理な姿勢になり、俺は地面に頭を強打してしまう。
痛い。
「あざとい警察だ！…ってね」
「援護頼むわ。俺殴るから」
「えぇ…？わ、分かったぁ…」
敵である少女はナイフを構え、目にも止まらぬ速さでゾムと斬り合う。
もう俺には理解できない速度で金属音が響いていて、援護どころじゃなかった。
ゾムに追いついているだけでもすごいのだが、速度だけでいうと…
「っ、嘘やろ」
「速度上げていこう！」
微妙に、ゾムが負けている。
その証拠に、彼の頬に赤い線が走っていた。
近接でゾムが圧されてしまうのなら、誰を呼べばいい？
俺は蝶を飛ばして助けを呼ぼうとしたが、飛んできたナイフが見事に蝶を貫き、止められた。
どんなエイム力だよと思い、飛ばしてきた敵を睨もうとしたのだが。
「邪魔せんといて！」
「ゾムさんがやったん！？」
「個人的に、助けは呼ばずにケリをつけたい」
ゾムがやったのなら、仕方がない。
でも、せめて交戦中だということぐらいは伝えたいんだけどなぁ…。
「随分余裕ぶっこいてるじゃん。その余裕、崩してあげるよ」
「っ…！ゾムさん！」
敵の周りに、沢山の武器…剣や槍が浮かび上がり、一斉にゾムに向かって飛んできた。
俺は勿体ないが蝶を大量に生み出して壁を作り、その武器を防いだ。
…武器を操る能力とか、チートやん。
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みょん - 夢主ちゃん五感を消すどころか操っちゃった (2019年8月26日 15時) (
レス) id: 58ac6e7e16 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ひよっ子さん» ご感想ありがとうございます！頑張ります！ (2019年3月17日 19時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっ子 - 主人公ちゃんの悲しい過去など とりあえず全部面白いです これからも頑張ってください！！(≧∀≦) (2019年3月17日 18時) (レス) id: a20f220c99 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - 兎危@ファンマークは子兎さん» チノ氏のキャラがまだ定まってないので探り探りですが…。これからも結構登場させるつもりです。 (2019年3月17日 9時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ファンマークは子兎 - ち、チノ氏…！？！？まさか、チノ氏を書いてる人が居たなんて……！感激ですううううう(新人組推し) (2019年3月17日 9時) (レス) id: 029d2a2f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月15日 17時
