１０ 対オスマン ページ12
怖い。
すごく怖い。
超怖い。
何なの、あのグルッペンとかいう金髪眼鏡。
私はアイツの五感を奪ったはずなのに、なんで…。
『逃げるか？いいゾ』
あんな笑顔で枷の鍵を外せるの…！
私は悲鳴をかみ殺し、裸足で廊下を走った。
白い軍服の男の隣をすり抜け、緑パーカーの男の頭上を飛び越える。
深緑の軍服の脇を通り過ぎた時、私の足を木の根が貫いた。
「侵入者やな？」
「っ…！？」
トルコ帽子を被った青年、確か、オスマンだっけ。
オスマンが私の足を木で絡め取る。
足を木が貫通して激痛が走るが、私は痛感を遮断して無理矢理足を引き抜いた。
思考を読む能力と、草木を操る能力を操るオスマンには、多分だけど何をしても効かない。
勝ち筋があるとしたら、思考をアホにするぐらいだけど…。
「君の頭の中、うるさいな」
「今アホにしようか協議中」
「アホにする？…ちょ、うるさいうるさい。ストレス溜まるって」
びゃびゃびゃびゃびゃびゃ。
びゃびゃびゃびゃびゃびゃ。
右ストレートでぶっとばす。
右ストレートでぶっとばす。
まっすぐ行ってぶっとばす。
「幽遊○書ネタやめぇ」
「右ストレートでぶっとばす」
「うるさいな！」
ちょっ、思考をアホにしてると攻撃が覚束ない。
私はオスマンの五感を取りあえず奪い、素手のままで彼に近付いた。
五感をなくしても、彼の思考を読む能力があれば、意味ないかも。
まぁ、いっか。
五感を失って動かなくなったオスマンの体に、一般人ならば耐えられないほどの重力を加える。
いつもならベチャと潰れる体が見れるはずなのだが、彼は平然とそこに立っていた。
…本当に、彼ら相手だといつも通りの定型が上手くハマらないな。
「めうー！」
「っ！？」
背後から声がして振り返ると、そこにはオスマンがいた。
さっきまで私の目の前にいた彼は、元通りの木に戻って、床に消えていく。
木で作った人形か…。
オスマンはツタを伸ばし、私の腕に絡ませてを拘束してきた。
そのままツタを引かれ、体が引き寄せられる。
引っ張られた先にはオスマンの腕があり、私の体は木の幹で貫かれた。
…マズい、これ以上のダメージは…！
「ごめんな、ちょっと痛いで」
「う、ぁ…！」
私の体の中で、木の幹が枝を伸ばした。
全身を少しずつ枝が侵食していき、腕から枝が生える。
私は意識が急降下するのを感じ、目を閉じそうになった。
だが、まだ、諦められない。
「あ、ああああっ…！」
私は自身の能力を暴走させた。
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みょん - 夢主ちゃん五感を消すどころか操っちゃった (2019年8月26日 15時) (
レス) id: 58ac6e7e16 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ひよっ子さん» ご感想ありがとうございます！頑張ります！ (2019年3月17日 19時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっ子 - 主人公ちゃんの悲しい過去など とりあえず全部面白いです これからも頑張ってください！！(≧∀≦) (2019年3月17日 18時) (レス) id: a20f220c99 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - 兎危@ファンマークは子兎さん» チノ氏のキャラがまだ定まってないので探り探りですが…。これからも結構登場させるつもりです。 (2019年3月17日 9時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ファンマークは子兎 - ち、チノ氏…！？！？まさか、チノ氏を書いてる人が居たなんて……！感激ですううううう(新人組推し) (2019年3月17日 9時) (レス) id: 029d2a2f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月15日 17時
