トントンVSロボロ ページ10
「ロボロかぁ、苦手やなぁ…」
「へぇ、ありがとう」
トントンが俺の目の前で羽根を広げ、嫌そうに眼鏡を指で押し上げている。
俺はヘッドホンを首に下げ、天と書かれた紙の下で笑った。
能力の相性的には、苦手って感じしないんだけどなぁ。
俺からしたら、能力は勿論、そもそもの身体的な能力でも優等生なトントンとはあまり戦いたくない。
まぁ誰でもそうだろうけど。
「じゃあ、いくで」
「どうぞ」
ここは俺から仕掛けさせてもらう。
弓を構え、矢を放つ。
トントンはそれを羽を飛ばして防ぎ、一気に近付いて軍刀を振り上げてきた。
俺は近距離用のナイフと遠距離用の弓を両手に持ち、軍刀をナイフで受け止める。
その体制のまま、片手と口で弓矢を使うという高等技術を扱い、矢を放った。
「うわっ!それズルない!?」
「ズルくない!」
慌てて羽で矢を弾くトントンへ、もう一発。
と思ったが、ナイフにかかる圧力が強くなって、耐えられなくなってきた。
一旦両手でナイフを握り、軍刀を跳ね返す。
そして、体制を崩したトントンに口を開けた。
「─────!!!」
「…っ!?」
自分の耳を手で塞ぎ、能力を使って声の音を操り、トントンの鼓膜を潰す。
音の超音波は、彼の耳に直撃した。
だが、トントンがこれぐらいの攻撃で音を上げるわけがない。
すぐに飛んできた反撃の羽。
これを待ってたんだ。
「跳ね返れ!」
「うわっ…!」
俺の能力の一つ、カウンターでトントンの羽を跳ね返す。
自分が放った羽を体に浴び、トントンの全身から血が溢れた。
自業自得やねぇ。
「あれ?どうしたん?トントンそんなもんちゃうやろ?」
「…そうやな」
「押されとるやん。大丈夫か?」
「煽りスキルまで手に入れやがって…。まぁでも、これはまだ様子見の段階やからな」
「負け惜しみ……っ!?」
背中に衝撃が走る。
振り返れば、背にトントンの羽が刺さっていた。
嘘ぉ。
そんなんしてなかったやん。
俺、羽の向きちゃんと全部見てたんやで。
なんでや…?
「さて、ちゃんとやろか」
「そういうの嫌いやわ…」
トントンが羽根を大きく広げ、いつもの笑みを浮かべる。
その体から溢れてくる冷気を全身で受け止めながら、俺は背中が凍りつくのを感じた。
寒い。
ここ、こんなに寒かったか?
「ロボロ相手にすんの苦手やねん」
「二度目やな、ありがとう」
「だから、すぐ倒すわ」
「…できるならな」
トントンの黒い羽が飛ぶ。
これだからトントンは嫌やってん。
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フール(プロフ) - みらくさん» ありがとうございます!更新がしばらくできずにすいません…。 (2019年4月9日 18時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
みらく(プロフ) - 戦いかっこいい!更新これからも頑張ってください! (2019年4月8日 21時) (レス) id: 9ed50f23e7 (このIDを非表示/違反報告)
ロコ(プロフ) - フールさん» 気長に待ちますリアル優先で良いですよ (2019年3月27日 18時) (レス) id: ca6c813b86 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ロコさん» リクエストありがとうございます。トントンVSロボロ、了解しました。少し時間がかかってしまうと思いますが、気長にお待ち下さい…。 (2019年3月27日 18時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
ロコ(プロフ) - フールさん» 本編から来ました戦闘系の小説大好きなんですよね、この素晴らしい作品にリクエストしたいですtn×rbって出来ますか?最新スピードとかゆっくりで良いのでお願いします (2019年3月27日 17時) (レス) id: ca6c813b86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フール | 作成日時:2019年3月19日 21時