37、その違和感には気づかない振りをして ページ37
××
「じゃ……自分の心拍数を、自在に操って？」
「太宰くんにしか出来ない芸当ですよ」
あれならバレようがない、と安吾が苦笑する。
流石太宰さん、と感嘆する敦。しかしどうして、誰も違和感を抱かないのだろうか。
───心拍数を操るということは人間には出来ないということに。
心臓は不随筋。不随筋を自分の意思で操ることは出来ないとAは知っている。敦はともかく、安吾もそれを知っているだろう。もしかしたら、安吾もAと同じく太宰治は人間ではないと結論づけているのかもしれない。
「……信用出来んな。貴様は邪智なる �犲潔傍ヾ忰瓩凌祐屬世蹐ΑＥ┐澄�
虫太郎の切り捨てに対し、安吾はミラー越しに視線を合わせる。虫太郎が安吾を七號機関の人間だと思っている件に関しては、Aとの通話で聞いていた。
しかし───
「僕は七號機関の人間ではありません」
それは虫太郎を安吾から避けさせる為のドストエフスキーの嘘だと、安吾は明確に否定する。
「……この続きは、安全な場所で」
***
「ちょっと！何なのよ貴方！？」
其処にいたのは、うずまきに勤める少女───ルーシーだった。指名手配ってどういうことよ、と敦に詰め寄る彼女の姿をAは静かに見つめる。Aとて、ルーシーが此処にいる理由を悟れぬほど愚鈍というわけではない。増して、想い人が一緒なら尚更。
「彼女、捜査本部に乗り込みましたね。
手書きの資料片手に �狷悗�んは悪人ではない�� �犹�人犯なんて間違いだ�瓩箸修譴論┐し�幕で……」
「い、云わないでええええっ……！」
ルーシーは自分の危険も省みず、敦の無罪を信じた。世間では絶対悪とされている敦を。純粋な恋心だけで、何の見返りも求めずに。
手に爪を立てる。吐き出した息は熱かった。
羨ましい。羨ましい。羨ましい。羨ましい。
どうしてそんなにきれいでいられるのだろう。
自分がもうきれいではないことを、自分が一番理解していた。鏡花やルーシーのように真っ直ぐ突き進むことができない。
「……っ、」
視界がぐらぐらと揺れる。
頭は熱く、虫太郎たちの話し声が遠かった。
しかしこれ以上余計な心配と迷惑だけはかけたくないという強い意地があった。彼らが頑張っている中、体調不良を起こしている場合ではないのだ。表情を作って、虫太郎を見据える。
一方、虫太郎は額から汗を流しながら告げた。
「国家の�狆談猫瓩澄�
**
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柊あんず(プロフ) - 香さん» いつもありがとうございます〜！早速五部の続編もあげましたのでぜひ！！はい、番外編の方の更新はいつになるか分かりませんが今後とも宜しくお願いします…(笑) Twitterやコメントなど、本当に感謝しきれません…！ (2020年6月28日 19時) (
レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
香 - 四部完結おめでとうございます！四部は七竃ちゃんが不憫すぎて...五部でどんな展開になるのか楽しみです！ Twitterフォローさせて頂いたり、番外編の方のリクエストもさせて貰いました！五部も楽しみに待ってます！ (2020年6月28日 18時) (レス) id: 7e95bd0132 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 後書き。 これにて四部は完結となります！ページ数が足りなすぎて今回はここで書くことになってしまいました。ラストの表紙は竹やま様より。四部の感想などもありましたらぜひ(笑) それではまた近々五部でお会いしましょう！！ (2020年6月28日 0時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 香さん» ありがとうございます！四部もあと少しで終わりますからね！毎回感想を頂けてとっっても励みになります…！ふふふ…続きが気になると仰って頂けるのは作者として本当に嬉しいです…！今後ともどうか宜しくお願いしますね！ (2020年6月20日 20時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
香 - 更新されてる！！今回もとても面白い話ばかりでした！探偵社と七竃ちゃんの距離がだんだん開いていってしまうようでハラハラしてます。続きが気になりすぎる！！ (2020年6月19日 7時) (レス) id: 7e95bd0132 (このIDを非表示/違反報告)
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