22、ラブコメの波動を感じる ページ23
××
「……あたし、良いの……？あなたたち、二人で食べる予定だったんじゃ……」
「二人も三人もそう変わりませんわ！」
「そうですよ。年齢も近い女子同士というわけですし、たくさんお話しましょう」
二人がそう云ったのと同時に、ちゃりん、とうずまきの扉が開いた。Aは何気なく、扉の先に視線を向ける。
「あ、」
「き、き、君は……！！」
肩に乗せたアライグマに、瞳が隠れるくらいに長い前髪が特徴的な青年───エドガー・アラン・ポオ。
ポオの脳内に
「私も───エドガー先生の新作、楽しみにしていますから!」
あの何もかもを差し出したくなるくらいの───最上級の満面の笑顔を見たとき、ポオはぎゅっと心臓を鷲掴みにされたのだ。
「エドガー先生ではありませんか！お久しぶりです！」
「あ、はわわ……！」
ポオは顔を真っ赤にして、腕に抱えた原稿用紙で自身の顔を隠すように前に突き出した。
あの時以来、またAに逢いたいとずっと思っていたし、自分の小説が好きだと云ってくれた彼女に小説を読んでもらいたいとも思っていた。しかしいざAを目の前にすると言葉なんてひとつも思い浮かばない。
「あ、いきなり話しかけてしまって……すみません」
「や、やっ、そ、その！む、寧ろ話しかけて欲しいというか……あの……えっと……」
あぁ、駄目だ。どうしても言葉に詰まって上手く話せない。人見知りだということに加え、尚且つ───想い人、である女性と会話するなんて難易度が高すぎるのだ。
「あ、えっと……エドガー先生は何故こちらに？」
「その、乱歩くんにある事件について推理してもらおうと思って……」
「乱歩先輩ならうずまきではなく、探偵社の中にいると思いますよ！」
「あっ……そ、そうなのであるか」
ポオは名残惜しそうにうずまきの扉に手をかける。
あぁ、全く話せなかった。
せっかく、せっかく、逢えたのに。
静かに下を向くポオを見かねたように、肩に乗っていたカールが「キィッ」とポオの髪を引っ掻いた。
「いたっ……」
「え、大丈夫ですか……！？」
「あ、あ、大丈夫である！あ、えっと、その……今度、吾輩の小説を読んでくれまいか！？」
完全に勢いに任せて云うと、Aは少し驚いたように目を見開く。そしてあの花のような笑顔で微笑むのだ。
「勿論です！」
.
「お二人からラブコメの波動を感じますわ」
「感じるわね……」
**
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柊あんず(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» こちらの方にもコメントありがとうございます！目……目、大丈夫ですか！？ムスカ大佐！？((( (2020年1月25日 21時) (
レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 目ッ…目がァァ……！！！← (2020年1月25日 20時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 果汁ジノ％さん» 国木田さんがいたのはアニメですね！確認しましたがやっぱり原作のパーティーに国木田さんはいなかったのでもう既にあの時には捕まっていたんだと思います！よってこれは伏線ではありません……(笑) (2020年1月25日 19時) (レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ％(プロフ) - 原作では国木田さんもパーティーに出ていたような…まさか、逮捕の時期が早まったのも伏線なのか…！？ (2020年1月25日 19時) (レス) id: 119f59d457 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ひいやさん» コメントありがとうございます〜！33話の伏線、そして腕の件は四部でちゃんと回収するのでご安心ください〜！「緑の灯」についてはフィッツジェラルド様の著者「グレート・ギャツビー」からの引用になるので、完全に史実ネタですね！ (2020年1月25日 11時) (レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
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