第三十一話 二戦目 ページ36
A 「ミキさん、ですか？」
「ん？そうやけど？……あ！女の子！噂のAちゃんや！」
A 「はい。…その、手合わせお願いします！」
「マジで！？手合わせ！？ええけど…ちょっと待っててな。兄ちゃん呼んでくるわ」
昴生 「俺は昴生。こっちが弟の亜生や」
亜生 「２人合わせて、ミキって言うから、よろしくな」
A 「Aです。よろしくお願いします」
ミキの２人と挨拶を交わす。
手合わせしたいという話をすると、ミキの２人は想像以上にあっさり快諾してくれた。
早速ミキの２人が武器を構え、私に向き合う。
その目は貪欲にギラギラと光っていて、少し怖かった。
昴生 「２人がかりでいくで？ええんやな？」
A 「はい。ドンとお願いします」
昴生 「でも、女の子相手になぁ…」
亜生 「兄ちゃん、この子初手合わせでさや香を追い詰めたんやって」
昴生 「えぇ！？初めてで！？」
亜生 「らしい。今聞こえてきた」
昴生 「これは…本気でやらんとなぁ…」
昴生さんが高い声を発して驚いている。
それを聞きながら、結構スゴいことをしたんだなぁとぼんやり思った。
亜生さんはレイピアのような細剣を構え、昴生さんはショットガンに弾を装填している。
ショットガン…私と同じ銃でも、違う種類のものだ。
警戒した方がいいかもしれない。
村本 『ショットガンは、様々な種類の弾を撃てる万能な銃や』
A 「万能、ですか…」
村本 『弾をバラまく散弾銃、威力が高い単発銃……使い分けてくるからな』
A 「多彩な弾を撃てるんですね」
村本 『お前のマシンガンでも応用できる場面はあるから、よく見ときや』
ミキの２人に聞こえない程度の声量で村本さんに答える。
私のマシンガンでも応用できる…。
だから、さや香の２人はミキとの手合わせを提案したのか。
昴生 「じゃあ…そろそろ、始めよか」
A 「はい！」
亜生 「あー、じゃあ、誰か審判を…」
昴生 「んー、あ！のむちゃん！」
「……何や」
道場の隅でタバコを吸っていた男の人に、昴生さんが声をかける。
その男の人は嫌そうにしながらも、私とミキさんとの間に立った。
のむちゃん。誰だろう。
野村 「Aやな。俺は野村や」
A 「は、はい！よろしくお願いします」
昴生 「のむちゃん、審判よろしく！」
野村 「…致命傷なし、参りましたで敗北。はい、よーい、始め」
そんな雑な始まりでいいのだろうか。
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作者名：フール | 作成日時：2019年1月14日 16時
