第十八話 ザ・プラン9 ページ20
A 「……うわぁっ！？」
ドンッと地面に叩き付けられる衝撃で目が覚めた。
ベッドのから体を起き上がらせると、そこは見知らぬ部屋だった。
最早テンプレートだ。
とにかく、部屋を見渡す。
すると、ベッドの隣の椅子で、誰かが眠っているのが目に入った。
夢の中で会った彼だ。
A 「あっ、あの…」
「……んー、あ、起きた？」
A 「お陰様で…」
「ああ、良かった良かった」
彼は帽子を被り直し、温和な笑みを浮かべた。
夢で助けてもらった感謝をとにかく伝えないと。
私はベッドの上で頭を下げる。
A 「さっきは、ありがとうございました…」
「ええよ。それより、俺はお〜い！九馬こと九馬歩や。よろしく」
A 「分かりました、九馬さん。私はAです」
九馬 「A、ええ名前やな。……じゃあ、案内しよか。立てる？」
A 「はい」
九馬さんが手を伸ばして、立ち上がらせてくれた。
この人からは、絶対的な安心感を感じる。
どこまでもついて行ってしまいそうだ。
さすがはザ・プラン9のリーダー。
…ザ・プラン9って何なんだろう。
勝手に考えながら、導かれるままに進む。
部屋からでようとした、その時。
「……あ！目ぇ覚めとるやん！」
A 「えっ！？」
九馬 「ギブソン、お客さんをビックリさせたらアカンよ」
ギブソン 「いや、ビックリしたのはこっちですよ！」
ドアを開けた先に居た、小柄な青年が急に大声を上げた。
ビックリして飛び退いた私を、九馬さんが支える。
声を上げた青年は、ギブソンさんと言うらしい。
…あれ、どこかで聞いたことが…。ヤ…ヤナ…あれ？
ギブソン 「驚かせてごめんな。俺はザ・プラン9のヤナギブソンや」
A 「……ヤナギブソンさん？」
ギブソン 「そうやで？」
A 「…いや、なんにも…。私はAです」
ギブソン 「お、おう…よろしくな」
ヤナギブソンさん…。
絶対に聞いたことがある。
不思議そうに私を見ながら、ヤナギブソンは廊下を歩いていった。
再び九馬さんの後ろをついて行く。
九馬 「ごめんな、ギブソンに悪気はないんやけど…」
A 「いえ、全然大丈夫です」
「……あ、Aさん。目を覚まされたんですね」
廊下で擦れ違った彼に、私は目を見開いた。
知っている。
彼の名前は、知っている…！
A 「あ、浅越ゴエさん…！？」
浅越 「…！」
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作者名：フール | 作成日時：2019年1月14日 16時
