第十六話 終戦 ページ18
山名 「うわー！みんな派手にやったなぁ！」
川西 「きれいに片方だけボッコボコやな」
稲田 「笑い事じゃないですよ！水田さん死にかけじゃないですか！」
秋山、水田、河井を地面に寝かせ、それぞれのパートナーは一息吐いていた。
今向かっている場所までは結構距離がある。
そこの近くまで行けば仲間がたくさんいるから、速くこの危険地帯を抜けたいが…。
３人、Aを加えると４人を荷物にするわけにはいかない。
川西 「え、そんな重傷なん？」
稲田 「一番重傷ですよ！」
山名 「毒やもんなぁ」
川西 「気付かんかったわ…」
稲田が杖を振り回して３人の傷を癒やす。
どうやら、比較的に秋山と河井は軽傷、水田は重傷のようだ。
秋山は少し意識があるようで、時々瞬きしていた。
不安げに見上げてくる秋山に山名は微笑み返し、その手を握る。
秋山 「うぅ…」
稲田 「秋山さんはもう少しで完治しますね」
山名 「おう、頼むわ」
稲田が優先的に秋山を治し始める。
少しずつ意識を取り戻しながら、秋山は山名の手を握り返した。
山名 「秋山さん、大丈夫ですか？」
秋山 「…うん、大丈夫そう」
山名 「立てます？」
秋山 「立て……た」
秋山が山名に腕を引かれ、立ち上がる。
まだフラフラしているが、もう治癒は要らないだろう。
稲田は次に河井を癒やし始めた。
もう水田の治癒は諦めて、目的地で治してもらおう。
あそこには魔力バカが大量にいる。
河井 「うー…？」
稲田 「あ、目ぇ覚めましたね」
河井 「稲田………あ、お前！無事やったんか！？」
稲田 「うわ、元気っすね」
河井 「お前っ、俺が飛んで、１人やったやろ！」
稲田 「そうですけど？」
河井 「え！？あの、モンスター、倒したん！？」
稲田 「倒しましたよ？」
河井 「はぁあ！？」
河井にアゴを見せつけるように稲田がドヤ顔をする。
全く信じられず、河井は頭を掻きむしりながら何度も叫んだ。
もうここまで元気ならば、回復は要らないだろう。
その間に、川西は水田を背負い、早くも移動の準備をしていた。
川西 「なぁ、そろそろ行かへん？」
山名 「じゃあ…俺A背負うわ」
秋山 「ふみ、ちょっと肩貸して…」
山名 「お、じゃあ…ゆずる頼むわ」
河井 「待て待て待て！なんで病み上がりの俺やねん！」
山名は秋山に肩を貸さなければならないため、Aは河井に押し付けられた。
目的地まで、もう少しだ。
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作者名：フール | 作成日時：2019年1月14日 16時
