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緑「 … ほんまに、これで良かったんやろか 」
見習いの天使は悩んでいた。
彼が消してしまった過去は、もう元には戻らない。
隣で寝ている大毅の髪をそっと撫でれば、
彼は目を覚ました。
赤「 ……!」
緑「 おかえり、しげ 」
赤「 … ん、ただいま。神ちゃん 」
緑「 … それ、可愛いやん 」
戻ってきた大毅は赤いマフラーをしていた。
赤「 ああこれ。
… なんか分からんけどな、
すっごい懐かしいニオイがするんよ 」
嬉しそうにマフラーに顔を埋める彼を見て、
天使は優しく笑った。
… これで良かったんや、きっと。
天使は2人の来世の再会を願った。
見習いの立場では、願うことしか出来ないけれど、
それでもと思って願った。
そして
もうひとつの世界でも、物語は動いていた。
黄「 … 照史、ご飯行こうや 」
橙「 え、何?!?!淳太くんどないしたん?!」
緑「 … あっくんも、幸せになってね 」
天使は切なく笑ったあと、ひと粒の涙を流した。
透き通るように綺麗なその涙は、
空に落ちて雪となった。
" この雪が、愛する人に届きますように "
「 雪に願いを ( 赤黄 ) 」 Fin.
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