僕は… ページ26
僕は…
大輔くんが言った…
「……はじめてAさんを見たとき
不安そうな顔をしているテミンの隣で
穏やかに…何か話しかけてた。」
「…僕は…なんか…いい人そうだなって…
思ったんだよ。」
「……え…」
大輔「…それから、見かけるたびに…
気になって…
いつの間にか…朝、現場に来ると…
君を探すようになって…」
「……そんなこと…
ホントに？
私は、日本に来て…テミンと二人きりで心細くて…はじめて大輔くんが挨拶してくれたと時は
とても嬉しかった…」
大輔「……〃_〃…」
「…今まで…ホントにありがと。
大輔くんのおかげで…どれだけ心強かったか…
いつも…優しくて…誰よりも…私達のことを…
わかってくれてた…。」
言って…何故だか涙が溢れた…
大輔「…Aさん…」
大輔くんが…手を伸ばし…
指で優しく涙をぬぐってくれた。
私は、恥ずかしくなって下を向いて
「…ごめんね…。
でも良かった…。
最後に挨拶出来て…」
って笑って言った。
「…ごめんね。今日は、ホントに良かった。
…あのね、わたし、ちょっと…用事があって…
もう、か帰らないと…」
大輔「…ああ、そうだよね。
うん、帰ろう」
会計は部長に請求するように言われたそうだ…。
ありがとうございます…。
タクシーを呼んで…
「……じゃあ…」
大輔「………」
「……ほんとに…ありがとう…」
大輔「………あ、あの…」
「………ん？」
大輔「……おく……らせて…くれない………？」
「…………え？」
大輔「……最後だから………」
「………」
私は、考えたけど…
日本での最後の頃に…少し…ぎくしゃくしてしまったのも…申し訳なくて…
「………うん……じゃあ…お願いしようかな。」
と言った。
私達はタクシーに乗って
10分ほどの道のりを
無言で…過ごした。
私のアパートに着いて…
私が、降りると
大輔くんも…降りた。
「…ありがとう……大輔くん……元気でね。」
大輔「………うん……Aさんも…」
そう言って大輔くんが…右手を出した。
「……ありがとう……じゃあ…」
出された右手を握りしめて…言った。
大輔くんにふいに引き寄せられて…
抱き締められた…
「……だ、大輔くん……」
大輔「………ごめん………Aさんのこと……
好きだった……」
「………」
突然のことで…頭が真っ白になってしまった…
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作者名：may | 作成日時：2016年5月25日 2時
