25話 ページ13
「でー、蔵っち昨日ねー。二宮さんに30本11勝したんだよ。」
「二宮さん相手に4割なんてすごいな。日野。」
屋上で食べるお弁当は最高だ。実はこれは妹が作ったものだ。料理もできて、テニス部で地方選抜で、顔もよくてピアノもできるといったらもう非の打ちどころがない妹だ。我ながらムカつく。
「でしょー。その後緑川と緑川の記録追い抜かした新人の子が10本したんだよ。どっちかったと思う？」
「緑川。」
「緑川だな。」
「あんたいつの間にいたの？」
哲次が途中から話に参戦してきただけだったがどうやら哲次はなにか言いたげな様子だった。だが、機嫌のいい私にはそんなのはどうでもよかった。
「それが、勝ったのは遊真なんだよー。」
「知り合いなのか？」
哲次がそう無表情でそういう。哲次は相変わらず何を言いたいのかわからない。興味本位ていどだろうがそれが無表情なのは違和感があったがそれは置いとくことにした。
「うん。用事があって玉狛いったらあった。」
私たちが楽しく会話をしているところに、ボーダー支給の端末の方から電話がかかってきた。なんだろうか。なにかあったのだろうか。それもわざわざ電話がかかってくるなんて何があったのだろうか。
「ちょっと失礼します。」
電話がかかってきた相手は忍田本部長だった。余計に訳が分からない。
「こちら日野です。何でしょうか忍田本部長。」
「ああ、今回は秘密裏に電話をさせてもらう。急に申し訳ない。今度の大規模侵攻、迅の予知では日野に敵の狙いが傾くことがわかっている。それで日野に人型が出た時に
「いえ……聞いてませんけど……。」
そもそも今度の大規模侵攻自体の話を聞いていなかった。それに風間さんがそんな話を一切出していなかった。
「そうか……。なら、今のは忘れてくれ。敵を捕虜にしなくてもいいとこの忍田が責任を取る。風間も恐らくそれは望んでいないだろう。理由は君も知っているだろう。」
「はい。」
そうして電話は切れた。確かに人型を捕虜にするのが手っ取り早い。だけど、もう私には
私は恵まれているんだろう。そして甘やかされている。
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彩華 - スイさん» ありがとうございます。これから高校受験に向けて総合Aがあるので更新ペースが遅くなってしまうかもしれないです。ですが、更新も負けじと頑張ります! (2020年8月24日 15時) (
レス) id: 0e1a2224ca (このIDを非表示/違反報告)
スイ - 続編おめでとうございます！！ (2020年8月23日 21時) (レス) id: c26352c883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩華 | 作成日時：2020年8月23日 17時
