28.彼女の笑顔。 ページ41
太宰side.
私はぐっと唇を噛み締めた。
悔しさと罪悪感で満たされて涙が出そうだった。
けど、頑張って我慢した。
もう涙は流さないと、決めたのだから。
それでも、身体が震えてしまう。
…こんな私は、余りにも惨めで…
その時だった。
隣から手をそっと掴まれた。
私は驚いて隣に立つAちゃんを見る。
太宰「…A、ちゃん?」
『…っあ!?ご、御免なさい!…気安く触れたりして…』
そう言って、Aちゃんは手を離した。
その温もりは、あの時私が衝動的に抱き締めた時の温もりと同じだった。
彼女は変わらない。
変える事は許されない。
彼女の、思いすらも…
私はその温もりが無くなった寂しさを呑み干して、Aちゃんに笑いかけた。
太宰「…Aちゃん…。
君の気持ちは十分伝わったよ…君は、あのポートマフィアに居るべきだ」
私がそう言うとAちゃんは驚いたように私を見つめた。
太宰「…もう誘ったりはしない。…けど、1つ頼みたい事がある
、
私と、友達になってくれないか?」
頼りないこの喉から出た言葉は、そんなありふれた言葉だった。
Aちゃんは驚いて固まっていたけれど、私の言葉の意味を理解すると、何時ものあの無邪気な笑顔で笑った。
『はい、喜んで!』
嗚呼…眩しいな。
けれど、心地よい眩しさだ。
彼女の笑顔は、何よりも清らかで、何よりも
、
___愛おしいんだ。
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くれーぷ/紅花(プロフ) - karenyoshi0308さん» コメントありがとうございます(*´∀`)♪ そう言って頂けて嬉しいです!はい、これからもじゃんじゃん作りますので、たくさんキュンキュンしちゃって下さい笑 (2017年10月19日 20時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - とても素敵でキュンキュンするお話ですね!これからも楽しみに待ってます! (2017年10月19日 18時) (レス) id: 9850d3be56 (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます(*´∀`)♪ 面白いと言っていただけて良かったです( ´∀`) こちらこそありがとうございます! (2017年10月14日 18時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - とても面白いです(*´∀`*)ありがとうございます! (2017年10月14日 18時) (レス) id: 1cfef6057f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年9月23日 21時