27.守りたかったんだ。 ページ40
私はやっと指定した場所へ着いた。
『…はぁ…はぁっ…お待たせ、しました…』
息を切らしながらも、私は頑張って顔を上げた。
にしても走り過ぎたかな…酸欠になりそう…
太宰「…此処まで来たのにそんなに必死になったのかい」
『あ、当たり前…じゃない、ですか…』
すると目の前にペットボトルが差し出された。
『…えっ』
太宰「…君がこうなるような予感がしていたからね、予め買っておいたのだよ」
太宰さんは此方と目を合わせずに言った。
私は『有難う御座います』と言って素直に受け取った。
ペットボトルの水を一口飲んで、私は『…それで』と口を開いた。
『私が此処に呼んだ理由…太宰さんなら、分かりますよね?』
太宰「…」(静かに頷く)
『…如何してあんな事言ったんですか…貴方らしく無いですよ』
太宰さんはピク、と肩を震わせた。
太宰「…私は…君を守りたかった。唯、君の笑顔を守りたかった。
けれど、私には無理だった。
逆に君を困らせて、傷付けてしまった。
あの時…私の側に君が居れば、君が泣いている時、すぐに守れるような存在になれると思って言ったんだ。
それは間違いだった。
私の…唯の我儘だったんだ」
『…太宰さん…』
太宰さんが、そんなに私を守ろうとしてくれていたなんて…
思えばあの任務も、太宰さんが依頼してくれたから出来た事だ。
『…』
どうしたら良いのか分からなかった。
ふと、太宰さんの震える手が目に映った。
それを見た私は無意識に、
、
、
そっと、太宰さんの手を掴んでいた。
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くれーぷ/紅花(プロフ) - karenyoshi0308さん» コメントありがとうございます(*´∀`)♪ そう言って頂けて嬉しいです!はい、これからもじゃんじゃん作りますので、たくさんキュンキュンしちゃって下さい笑 (2017年10月19日 20時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - とても素敵でキュンキュンするお話ですね!これからも楽しみに待ってます! (2017年10月19日 18時) (レス) id: 9850d3be56 (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます(*´∀`)♪ 面白いと言っていただけて良かったです( ´∀`) こちらこそありがとうございます! (2017年10月14日 18時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - とても面白いです(*´∀`*)ありがとうございます! (2017年10月14日 18時) (レス) id: 1cfef6057f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年9月23日 21時