10枚目、 ページ16
僕はある家の前に来ていた。
それは出来たばかりの新築の家だった。
フィルムを通して見ると
、
、
燃え盛る家が写っていた。
ここは"今"から3年前の世界。
そして、この家は僕の一人暮らしをしている家だ。
僕がカメラを下げると、
激しい爆発音と共に、家が火に包まれた。
そう、僕は
、
、
この家の火事に巻き込まれて、独り死んだ。
人気がない所だったから、近所の人でも僕が火事に巻き込まれたのを知ったのは火事になった15分後だった。
そしてしばらく僕は燃え盛る家を眺めていた。
結局、最期まで僕は独りだったのだ。
…そうだ、まだやる事が残っている。
向こう側から1人の青年が走って来た。
「…ハァッ…はぁ……七竈!!…七竈…嘘、だろ…」
その青年は、鈴蘭だった。
僕は鈴蘭に近付き、肩を叩いた。
『僕は未来の七竈です。…時間がないので、一つだけ言います。
、
わがままかもしれませんが、僕を忘れないで下さい。
そうすれば、いつかまた出会えます。
…そうした後で、僕を忘れても構いませんから』
だから、と言って彼の手に一輪の小さな花を握らせた。
『また会いましょう、鈴蘭君。…未来で、待っています』
そう言って僕は微笑んだ。
彼は呆然としたまま、微動だにしなかった。
彼が我に返る前にと、僕は急いで走った。
もう、振り返らない。
振り返れない。
じゃあね、3年前の鈴蘭。
きっと今死んだ僕がまた生まれ変わって、別の世界で君を探すだろう。
だから、それまで。
さようなら。
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くれーぷ/紅花(プロフ) - サクハさん» わざわざありがとうございます!!はい、作品作り頑張ります( ´ ▽ ` )ノ (2017年10月14日 21時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
サクハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!次の作品待ってますね! (2017年10月14日 21時) (レス) id: bb1798707a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年9月17日 20時