8枚目、 ページ14
どうせ暇だったので、僕は彼と話すことにした。
世間話や、日常の事。
どれもありふれた話ばかりだったけれど、なぜか時々彼の顔が寂しそうに歪むのだ。
『どうしたんですか？』
「…あ、すみません。少しぼーっとしてました」
彼は慌てて笑顔で取り繕う。
僕はじっと彼を見つめる。
…純粋に心配なのだ。
すると彼は諦めたように少しため息をついて話し出した。
「…俺、中学生の時にクラスメイトを亡くしたんです。…そいつは、すっごくいい奴でした。
初めは本の事から仲良くなって、それからよく話すようになって…
あいつと友達になれて良かった、って当時も今もずっと思ってます」
『……それは…災難ですね』
「本当、なんであいつが死ななきゃならなかったんだろう…あいつは火事に巻き込まれて亡くなったんです。…なんで、よりによってあいつが犠牲に…」
彼は俯いて頭を抱えた。
足元に、涙が作った黒いシミが増えていく。
『………でもきっと、その人は幸せだと思ってますよ』
「…えっ？」
『君のような人にまだ忘れ去られてないこと。…それが、何よりも嬉しいはずです。…大抵の人は、忘れてしまうはずですから』
「………そう、だと良いですね………あいつは、俺にとってすごく大切な友達でしたから」
彼は心の底からの笑顔を浮かべていた。
『…さて、もう日が暮れて来ましたし、僕は行くとしましょう』
「あの…色々話聞いてもらえてありがとうございました。心が軽くなりました」
『いえいえ。…あ、写真撮りませんか？』
彼は「はい」と微笑んだ。
撮った写真の中には、かつての友人が昔のような笑顔で笑っていた。
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くれーぷ/紅花(プロフ) - サクハさん» わざわざありがとうございます！！はい、作品作り頑張ります( ´ ▽ ` )ﾉ (2017年10月14日 21時) (
レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
サクハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!次の作品待ってますね! (2017年10月14日 21時) (レス) id: bb1798707a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれーぷ | 作成日時：2017年9月17日 20時
