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6枚目、 ページ12

『…よし、出来た!!』









僕は今夜、キャンプをする事に決めた。









と言っても1人だから…少し怖いけれどね。









『テント張り完了!食料もあるし、寝袋もある!…よし、これで良いかな』









僕は1人満足しながらテントの中でごろんと寝転んだ。









『…ふぅ…来てからもう8日目かぁ』









実はここには記していないけれど、たくさんの写真を撮ってもう8日が経っていた。
明日で9日目。
ここにいられる時間も限られている。









『そう考えると、寂しくなるなぁ』









僕は"今"が気に入っていた。









自然と人間が作り出すこの世界は、未来よりも素敵な所がたくさんある。



















…かつて、僕がここで生きていた頃は何とも思わなかったのに。









『…未来に生まれ変わってから気付くなんて…ね』









僕はカメラを空に掲げながら呟いた。









『…西川さん、元気にしていてよかった。あのお婆ちゃんも元気だし…店主さんも、あの親子も、皆、みんな…』









ポタリ、と温かい涙が頰を濡らした。









『…っ…なんで…なんで、僕は…』









空が涙で滲んで見える。
カメラのレンズに、涙が落ちた。









パシャ。…ヴィーン…









『…え』









僕は滲む視界の中、カメラに触れる。









まだ霞む眼をごしごしと擦ると、カメラから写真が出て来ていた。









間違えてカメラのボタンを押してしまったらしい。









そこに写っていたのは









『…え、なんで、こんな…』









僕が泣きながら笑っている写真だった。









『…っ、あはっ…あははっ…なにこれ、みっともない顔だなぁ…あははっ』









やっぱりこのカメラは本物だ。









僕は泣きながら笑っているのだから。









『…ありがとう』









声がわかるはずもないと分かっていたけど、思わずカメラにお礼を言っていた。









レンズがキラリと光って、カメラが答えてくれたような気がした。

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設定タグ:オリジナル , 男主 , シリアス   
作品ジャンル:SF, オリジナル作品
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くれーぷ/紅花(プロフ) - サクハさん» わざわざありがとうございます!!はい、作品作り頑張ります( ´ ▽ ` )ノ (2017年10月14日 21時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
サクハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!次の作品待ってますね! (2017年10月14日 21時) (レス) id: bb1798707a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年9月17日 20時

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