5枚目、 ページ11
僕は公園に来ていた。
今日は天気も良いので、気晴らしにでもと思ったからだ。
『…うーん…はぁ、良い天気だなぁ』
空を見上げると、真っ白い雲がそよそよと泳いでいた。
『…未来だと、こんな空は見れないもんなぁ』
僕の生きている未来では、空は人工的で、こんな自然の雲では無いのだ。
未来ではこんな自然の物がめったに見れないので僕は少しばかり興奮していた。
『…あ、キレイな花』
それは青くて小さな花だった。
思わずパシャリ、とシャッターを切った。
「お兄さん、その花に興味があるのかい?」
振り向くと、人当たりの良さそうなお婆さんがいた。
『あ、はい。すごくキレイな花だなぁって』
「そうだねぇ…私もこの花は大好きだよ。…お兄さんは、このお花の名前、知っとるかい?」
『うーん…知らないですね』
「この花はね、ワスレナグサと言うのさ。花言葉は"私を忘れないで"」
『…私を、忘れないで…』
「…私の夫がね、病気で死ぬ1日前に私にくれた花なんだよ。それにね、ワスレナグサにはもう一つ花言葉があるんだ」
『…それはなんですか?』
「"真実の愛"さ。…夫の最期にもらえたのだから、私は本当に幸せだよ」
お婆さんは笑顔だったけれど、少し泣きそうだった。
ワスレナグサ…その青い花は、小さいながらに凛として咲いていた。
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くれーぷ/紅花(プロフ) - サクハさん» わざわざありがとうございます!!はい、作品作り頑張ります( ´ ▽ ` )ノ (2017年10月14日 21時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
サクハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!次の作品待ってますね! (2017年10月14日 21時) (レス) id: bb1798707a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年9月17日 20時