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[三十]擦れ違う心。 ページ33

次の日。
私は太宰君の部屋に来ていた。






『…如何言う事なんだい、あの傷が…"教育"の一部だって?』








昨晩の芥川君の話を聞いて、私は少し怒っていた。
あんな傷になるまでの"教育"など…やり過ぎだ。



それで太宰君を問い詰めていたのだが…









「そうだよ。…愚かな私には、あのやり方しか考えられない」









『だが!あんなのは"教育"の範囲内とは云えないだろう!?キミだって分かってる筈だ!!』









そう叫ぶと、太宰君の眉間に皺が寄った。









「…じゃあ聞くけれど…








____君なら、芥川君を"正しく"導けると云う自身があるのかい?」









『え…』









私は言葉に詰まった。
太宰君は私から目を背けて、感情を押し殺した声色で言った。









「…なら、私に指図しないでくれ」









どくん、と胸が鳴った。
あの時のとは違う、今は痛い。









『…如何して?…じゃあ如何してボクにはあんなに優しくしてくれたんだい?』









「……それは君が…」









『もう良い。
太宰君がそんな人だと思っていなかった。









…ボクはボクなりのやり方でやる。キミはキミなりのやり方でやるのだね…









ボク達は、似てなんかいなかったのだよ。









…落胆したよ。









無理矢理頼んで悪かった。でもボクは此処で任務を遂行する事を続けるよ。









キミが居なくとも、もうボク1人で出来る筈だから』









太宰君の言葉を遮って、立て続けに言葉を並べた。









(…違う。本当はこんな事言いたいんじゃない…
違う…違うんだ!!!)









そんな私の本当の思いとは裏腹に、冷たい言葉が口を出た。









『___暫く近付かないでくれ』









それだけ言い残して、私は部屋から出た。









『……ッ………何で、如何してこうなったんだ……』









閉じた扉の前、私は声を押し殺し泣き崩れた。









太宰君の悲しそうな表情が頭の中に浮かび上がっては離れなかった。

[三十一]不器用な幹部の想い。→←[二十九]一匹狼の黒獣。


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くれーぷ/紅花(プロフ) - やぬっちゃんさん» ありがとうございます!そう言って頂けて良かったです(^^) これからも頑張ります( ´∀`) (2017年11月29日 6時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - 面白かったです!次の作品も楽しみにしてます! (2017年11月28日 23時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - やぬっちゃんさん» コメントありがとうございます!はい、もうすぐ完結になりますね…最後まで頑張ります!ありがとうございます! (2017年11月28日 6時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - 良かった………取り敢えずハッピーエンドになりそう!これからも楽しみにしてます! (2017年11月27日 22時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - 匿名さん@誰かのサブ垢さん» ご指摘ありがとうございます。編集致しました! (2017年11月5日 22時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年10月27日 20時

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