日常その19.一人の優しい先輩。 ページ42
敦「学校ごと辞めたって…つまり、退部と共に退校したって事ですか…？」
太宰さんは静かに頷いた。
その瞳は何処か寂しそうだった。
太宰「…それを聞いた時は流石に動揺したよ。その人は、皆に平等に優しくてしかも人一倍技術がある上に教えるのも上手かったんだ。
皆慕っていたのに、如何して突然居なくなったのか。
きっかけは、ある日の部活の時さ。
その先輩…名前を織田作と言うのだけれど、織田作は争いとかそういうものが嫌いだったから中3の先輩や高校生には関わらないようにその日は早く来て1人で練習していたんだ。
そしたら急に中3と高校生に絡まれたのだよ。
"あんな奴等と一緒に居て息苦しく無いのかよ？"
"お前、よくそんなにこんなクソみたいな部活頑張れるな"…って。
それを聞いた織田作は激怒したんだ。
…普段は怒らない温和な性格なのだけれど…自分にとって大切な部活の事を馬鹿にされて、許せないと思ったのだろうね。
初めは口喧嘩だったのが、暴力喧嘩まで発展してしまって、後から来た姐さんや広津さんに止められたんだ。
誰かが騒ぎを聞きつけて先生を呼んだらしく、顧問が居なかったから、たまたま近くに居た福沢先生と森先生が駆け付けたんだ。
私達後輩は、唯呆然と立ち尽くす事しか出来なかった。
あんなに怒った織田作の顔は見た事が無かったからね。
…この話の詳細は後から森先生と福沢先生に個人で聞いたんだ。
あんなに必死で個人練習していた織田作が急に辞める筈無いと思ったからね。
…最後に織田作を見たのは、その後の通常の部活の時だったよ。
中3や高校生はその喧嘩の事で部活停止になって、その間に辞めていった時かな。
"怪我の具合は大丈夫なのか"と聞いたら、織田作は笑って"これ位如何って事無い。心配するな"って言って、私の頭を撫でてくれたんだ。
…あんなに優しい温もりに触れたのは、あの時が初めてだったのかもなぁ…」
ふふ、と懐かしそうに笑う太宰さん。
敦「…そんな事があったなんて…全く知らなかったです」
太宰「それもそうさ。この話は森先生と福沢先生がそれがきっかけで顧問になってから、部活のイメージを崩さないようにと内緒にしていたからね」
敦「えっ、じゃあ如何して僕には話してくれたんですか？」
太宰さんは「それは秘密」と言って悪戯な笑みを浮かべただけだった。
日常その20.皆の作戦会議。→←日常その18.この部の過去の話。
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あっぴー - 私はホルンやってます。あるあるすごい共感しました合奏とかで音はずすとよく先生ににらまれます… (10月29日 18時) (
レス) @page15 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
Hiro(プロフ) - 指揮棒折れるのわかります！と言ってもうちの学校棒ないんで金属の棒で叩いてそれが曲がるんですけれど。初コメ失礼しました (2021年12月8日 6時) (レス) @page21 id: 86439a7187 (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - koiさん» コメントありがとうございます！おお、私の好きな楽器← 私もチューバなのでよく言われて苦労していました…(^_^;) 共感して下さる方がいて嬉しいです♪ ありがとうございますm(_ _)m (2018年9月17日 8時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
koi - お初です！私はユーフォやってます！4話目の中也がアンブッシュアで悩んでいる場面を見て、私もよく、アパーチャーが空いてないとか注意されているので親近感がわきました！更新頑張ってください！ (2018年9月16日 19時) (レス) id: 86e16ba69c (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - 楓さん» コメントありがとうございます！宝島！懐かしい…あのアルトサックスのソロカッコいいですよね〜聞いてて凄く憧れてました笑 (2018年5月3日 16時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれーぷ | 作成日時：2017年10月26日 9時
