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こんなに近くにいたなんて。 ページ5

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「今日のLHRは・・・学級役員を決める。
1人1つは何かしら持つことになるから・・・」


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田茂先生が、

ずらずら、と黒板に委員会とか、

係の名前を書いて行く。


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最後の文字を書き終わった後、

先生はくるり、とこちらを振り返って、

黒板をチョークの先で指した。


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「好きなの選べ?」


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きょとん、と瞳を揺らした後、

うん、ともすん、とも言わない私たちを見て、

先生は、大きなため息をついた。


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「お前ら、なぁ・・・」


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はぁ、ともう一度息を吐いた先生は、

じゃぁ、学級委員やるやつ、と

声を上げた。


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中々決まらないそれらに、

先生も、眉間にしわを寄せ始めた。


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「じゃぁ・・・図書委員、」


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その言葉に、

あたりを見回して。


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誰も手を上げていないことを確認した後、

私やります、と右手を上げた。


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田茂先生は、

私を見て、安心したように笑うと、


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「じゃぁ、鈴森と・・・江波戸。他いないか?」


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サラリと、爆弾を落としたような気がして。

黒板に書かれる私の名字と、

″江波戸″の文字に。


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後ろを振り向いたら、

やっぱり、ふわふわの髪の毛を揺らして。


.


唇をちょこっと噛んで、

黒目はこちらを向いていて。


.

きゅ、と目を細めた後、

小さな頭がぺこん、と下げられて。

ふわふわの髪の毛が、サラリと揺れた。


.


・・・こんなに、近くにいたなんて。

気づかなかった。


.

こんなに近くにいたなんて。2→←出会いはきっと、突然に。4



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作者名:*ブロニカ* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2014年9月28日 16時

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