可愛いカノジョと、可愛いカレ。 ページ39
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「先輩先輩!」
「なに?どしたの、」
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放課後、部活前に部室に寄る。
それは、ほかのみんなも同じことで。
少し遅れて行った私は、
光安くんの困った顔を見て首をかしげた。
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部室の前には、
人だかりができていて。
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「何してるの?入りなよ、」
「あ、鈴森・・・」
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″お前は、見ない方がいいかも、″
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白尾くんの小さな声が聞こえて、
何が?って、
中を覗いたら、江波戸くんがいた。
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「ねぇ、誰あれ、」
「西園寺椿」
「誰だそれ、」
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柚子ちゃんの問いに牛丸くんが答えて。
それに、白尾くんが眉を潜めた。
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「なんか・・・すげぇキラキラした名前っすね、」
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樫山くんが二度三度頷いて、
財閥の令嬢みたい、と
小さくつぶやいた。
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「皆が遠慮することないじゃん、入りなよ?」
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戸惑ってる皆をよそに、
部室に入る。
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ちら、とこちらを見た江波戸くんと目が合ったけど、
声なんて、掛けられなかった。
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ぞろぞろ、と皆が入ってくる。
抱えた白いタオルを籠に入れていたら、
こそこそ、と集まった部員達。
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「ね、何年生あれ、」
「2年A組出席番号17番、西園寺椿です、」
「うん、牛丸くん詳しすぎね、」
「なんで2年生が江波戸さんの隣に・・・」
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長椅子に腰かけた2人は、
なんだか楽しそうにおしゃべりしていて。
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くすくす、と笑った時に揺れる肩と、
ふわふわの江波戸くんの茶色い髪の毛が、
なんだかやけにリアルだ。
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