私が勝手に、勘違いをした結果。 ページ35
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嫌なことって、続くものだ。
負のオーラを纏ってたら、
何か、悪いものでも寄りつくのかな。
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「鈴森!江波戸は?」
「えぇ?知らないよ、」
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放課後の部活、
岡留くんが、
江波戸くんがいないことに気がついて。
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ベンチで部誌をつけていた私の所に、
わざわざ聞きに来た。
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首を振って知らないと答えると、
私の隣に座って、
バッティンググローブをはめていた白尾くんが、
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「鈴森連れてこいよ、」
「えぇ?」
「たぶん、屋上にいるから、」
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あれからなんだか、
江波戸くんと気まずくて。
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会話を振れば、
にこやかに答えてくれるけど、
それが前と同じだとは、到底思えなくて。
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一歩、引かれたようなそれに、
私は一人で傷ついて、
目だって、合わせられない。
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「あいつ、よく屋上で野球部眺めてるから。」
「なんだその趣味(笑)」
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白尾くんの言葉に、
岡留くんが噴出して。
私はそれに、小さく頷いた。
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「・・・わかった、」
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部誌を閉じて、
ベンチの上に置いた後立ち上がって、
私は白尾くんに言われた通り、屋上を目指した。
*
[白尾side]
鈴森が、
江波戸を探しに走りだす。
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その後ろ姿を眺めながら
ふ、と口許を上げると、
目ざとく岡留に見つかった。
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「お前、あんまちょっかい出すなよ、」
「はぁ?俺のせいかよ、」
「そーだろ、どう考えたって、」
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思わぬところに敵がいて、
思わず笑みがこぼれる。
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「ま、そうかもな、」
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岡留の言葉に2,3度頷いて、
バットを持って立ち上がった。
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私が勝手に、勘違いをした結果。2→←何もなかったような顔をして、笑うなんて。5
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