出会いはきっと、突然に。3 ページ3
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ふわふわと、揺れる髪。
色素の薄いそれは、
太陽の光にあたって、光ってる。
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時々、白い帽子を外して、
くしゃくしゃ、と髪の毛を乱す仕草に、
癖のある、ふわふわの髪に、
背の高い、そのシルエットに。
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あぁ、あの人だ。
そう、すぐ分かったのは。
どこかでもう一度会いたいと、思っていたからなのかもしれない。
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野球の実力は、
思っていたよりずっと、酷くて。
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「Aちゃん！これ、運ぼう！」
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重そうな籠の端を、
2人で持って。
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皆がいる、運動場まで運ぶ。
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取られなかった球は、
グラウンドのそこかしこに転がっていて、
皆、とんちんかんな方向に走ったり、
落ちてくる球を、除けたり。
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「・・・下手でしょ、」
「うん・・・、」
「あはは！容赦ない(笑)」
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素直に頷いた私を見て、
彼女は楽しそうに笑った。
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「あれが、キャプテン、」
「キャプテン？」
「そ。ふらふらしてるヤツ、」
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彼女が指をさしたのが、
私の見間違いでなければ。
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「江波戸くん、」
「江波戸、くん・・・」
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そっか。
江波戸くん、って言うんだ。
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グラウンドに入ったら、
声一つ聞こえない野球部。
なんだか、変なの。
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「誰だ、オマエ、」
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後ろから声を掛けられて振り向けば、
地理の、増本先生が立っていて。
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確かに、私は地理じゃなくて
日本史取ってるけど！
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「出た、増本・・・」
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柚子ちゃんが眉をひそめるってことは、
あまり、好きではないらしい。
新しいマネージャー！と彼女が言えば、
増本先生は急ににこやかになって、
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「しゅーーごーーーー！！」
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と、無駄に大きな声で、
部員たちを呼び集めた。
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